からだ

2つの動作で腰椎の運動性をチェックしてみましょう。

背骨のしくみと働きについて、鍼灸師であり指圧師の石垣英俊さんに教わります。
  • 撮影/岩本慶三 文/石飛カノ モデル/北川リサ スタイリング/高島聖子 ヘアメイク/村田真弓 イラストレーション/宇和島太郎、松元まり子

(腰椎)背骨の中で最も大きく、前後の動きが得意。

胸椎12番から続く5つの椎骨でできているのが腰椎。背骨の中では椎骨のサイズが最も大きいことが特徴だ。これは上半身の重みを支え、胸椎のような肋骨という支えがない分、安定性を確保するための構造。

胸椎がカラダを曲げたり反らすことが苦手なのに対し、そうした動きが得意なのが腰椎。上半身を前に倒す屈曲動作や、腰に手を当てて上体を反らす伸展動作の約75%は腰椎が担当している。

上の写真のような前屈姿勢では、椎骨の前部の距離が縮んで後ろ側の距離が広がる。クッション役の椎間板が衝撃を吸収してくれるおかげで、こうした大きな動きができるのだ。

ただし、椎骨が大きい分、椎間板も大きい。腰椎の上部はしっかりと靭帯(じんたい)で骨同士がカバーされているが、下部の4番、5番あたりは靭帯が薄くなっていてやや安定感に欠ける。これが原因で椎間板ヘルニアの症状が出ることも。

椎間板ヘルニアは椎間板の中の弾力性のある髄核が飛び出して、まわりの神経を刺激するという背骨の病気。周囲の筋肉をきちんと機能させ、上下の骨とスムーズに連携させることが予防のカギ。

(1)椎骨の数は5個
(2)椎骨と椎間板のサイズは最も大きい
(3)上半身の屈曲、伸展動作を担う
(4)腰椎下部は椎間板ヘルニアが 生じやすい

●腰椎で生じやすい椎間板ヘルニアのしくみとは

背骨のクッション役の椎間板の中には髄核というボール状の組織がある。椎間板が変形して亀裂が入ると髄核が飛び出して神経を圧迫。痛みが生じる。

2つの動作で腰椎の連動性をチェックしてみる。

(1)上体を前に曲げてみる。

椅子に浅く腰かけ、両足を腰幅に開く。上体を前傾させて左右の手で足首をつかめたらOK。

 ↓

(2)腰椎をしっかりと反らす

床に仰向けになり、足を腰幅に開いて両膝を立てる。左右の手を頭の後ろで組む。

背中は床につけたまま、骨盤を前傾させて腰を反らす。床からこぶし1個分隙間ができればOK。

悪い姿勢や無理な動きなどで背骨が老化してくると、腰椎の椎間板に亀裂が入り、腰痛が引き起こされることがある。とくに前かがみになった姿勢で重い荷物などを持ったときに、リスクが高まる。

一方、上体を反らしたときにプレッシャーがかかるのが椎骨同士を結びつけている椎間関節。椎間関節にトラブルが生じると、背骨の連動性が失われ、腰痛の原因に。

ただ、椎間関節に多少問題があっても気づかないケースがほとんど。他の筋肉や関節がカバーして日常動作を普通にこなせてしまうからだ。

そこで、腰椎の機能が保てているかどうかを2つの動きでチェック。痛みが生じる前に腰椎の今の状態を把握すること。

石垣英俊

教えてくれたのは

石垣英俊 さん (いしがき・ひでとし)

鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師

静岡県出身。臨床家の父親に鍼灸治療を師事。体の痛みや不調に悩んでいる人へ、よりよい施術、環境、アドバイスを提供すべく研鑽を積んでいる。神楽坂ホリスティック・クーラ(R)代表。著書多数。

『Dr.クロワッサン 痛みとコリをすっと消す、自分でできる整体』(2020年4月28日発行)より。

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。