胸椎12番から続く5つの椎骨でできているのが腰椎。背骨の中では椎骨のサイズが最も大きいことが特徴だ。これは上半身の重みを支え、胸椎のような肋骨という支えがない分、安定性を確保するための構造。
胸椎がカラダを曲げたり反らすことが苦手なのに対し、そうした動きが得意なのが腰椎。上半身を前に倒す屈曲動作や、腰に手を当てて上体を反らす伸展動作の約75%は腰椎が担当している。
上の写真のような前屈姿勢では、椎骨の前部の距離が縮んで後ろ側の距離が広がる。クッション役の椎間板が衝撃を吸収してくれるおかげで、こうした大きな動きができるのだ。
ただし、椎骨が大きい分、椎間板も大きい。腰椎の上部はしっかりと靭帯(じんたい)で骨同士がカバーされているが、下部の4番、5番あたりは靭帯が薄くなっていてやや安定感に欠ける。これが原因で椎間板ヘルニアの症状が出ることも。
椎間板ヘルニアは椎間板の中の弾力性のある髄核が飛び出して、まわりの神経を刺激するという背骨の病気。周囲の筋肉をきちんと機能させ、上下の骨とスムーズに連携させることが予防のカギ。