胸椎の健康度をチェックしてみましょう。
撮影/岩本慶三 文/石飛カノ モデル/北川リサ スタイリング/高島聖子 ヘアメイク/村田真弓 イラストレーション/宇和島太郎、松元まり子
(胸椎)肋骨とともに心臓や肺を守る。前後に曲げる動作は苦手で、ねじる動作が得意。
頚椎7番から繋がる12個の椎骨でできているのが胸椎(きょうつい)。胸椎とカラダの正面にある胸骨は肋骨(ろっこつ)で繋がれていて、心臓や肺など大事な臓器を囲んでいる。つまり、もともと大きな動きが得意な構造ではないということ。
とくに、胸椎は前に曲げる、後ろに反らすという動きが苦手。理由は椎骨の間にある椎間板が薄く、背骨の後ろの棘突起が長いから。これは、肋骨の中にある臓器を守るための構造と考えられる。
ただし、胸椎11番と12番は肋骨が短いこともあって、比較的、前後の曲げ伸ばし動作が得意。このため、胸椎を動かし慣れていないと、ふいの動作のときに痛めやすいともいえる。
また、胸椎は前後の曲げ伸ばしは苦手でも、「ねじる」という回旋動作は得意。首を除いた全身をねじる動きのほとんどは、胸椎で行っているのだ。こちらも、ふだん胸椎を動かし慣れていない人がいきなり回旋動作をすると、まわりの筋肉を痛めるリスクがある。
動かせる範囲があまり大きくない胸椎だが、それに甘んじて怠けていると頚椎や腰椎がかわりに頑張って動き、まわりの筋肉や関節に負荷がかかる。とくに現代人は姿勢の悪さや運動不足によって胸椎の動きが悪くなり、肩こりや腰痛に陥っているケースが多いので要注意だ。
(1)椎骨の数は12個
(2)椎骨のサイズは頚椎より大きく腰椎より小さい
(3) 胸骨と肋骨で繋がり胸郭となり肺や心臓を保護している
(4)11番と12番は大きく動かせる
胸椎が得意な回旋の動きで、機能のチェックを。
動きが制限されやすい胸椎だが、比較的よく動く胸椎11番と12番のあたりには胃腸に効くツボがあり、神経の出入りもある。しっかり動かすことで背骨の老化を防げば内臓の機能の改善にも繋がる。実際、ヨガではツイスト系のポーズは内臓に効果的といわれているくらい。
また、胸椎の4番から6番の周辺の筋肉は、頭や首の動きにも関わっているので、頚椎との連動性を高めることも非常に重要。スマートフォンやパソコン作業でストレートネックに陥り頚椎の機能が低下すると、その影響で最も負荷がかかるのも、この部分。
そこで、本来、胸椎が得意な回旋動作を行い、健康度をチェックしてみる。
やり方は簡単。椅子に座って上体を左右にひねるだけ。おヘソを正面に向けたまま、みぞおちあたりから胸椎だけを左右にねじることがポイント。痛みのない範囲で行うこと。
●上半身全体ではなく胸椎だけをひねる。
椅子に座って両手を胸の前でクロス。左右の手で二の腕を握る。骨盤とおヘソを正面に向けたまま、上半身を左右にひねる。肘が逆側の太もものライン上にくればOK。左右差もチェックのこと。
『Dr.クロワッサン 痛みとコリをすっと消す、自分でできる整体』(2020年4月28日発行)より。
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