料理家の山脇りこさんが選ぶ、腸を養うためには大切な、「本物」の調味料。
そこで調味料マニアである山脇りこさんに調味料の選び方について教えてもらいました。
撮影◦岩本慶三(調味料) 文◦葛山あかね
調味料の「し」:[塩]精製していない天然塩を。粒子の大きさもポイントに。
「砂糖と同じく、塩も精製していない天然塩(自然塩)がおすすめです」と山脇さん。自然塩には原則としてミネラルが豊富に残っているものが多いので、複雑で深みのある味わいが魅力です。今や世界中からも輸入され、海塩や岩塩、湖塩など種類は多様。天日干しや釜炊きなど作り方もいろいろです。「しかも粒子の大きさもさまざまですから、一口に自然塩といっても味わいの違いは大きい。味見のしがいがあります」。山脇さんは英国「マルドン」、「わじまの海塩」、地元・長崎の「浜御塩(はまみしお)」などを使っているそう。
(1) Maldon SEA SALT
125g 輸入者:株式会社 鈴商 TEL.03-3225-1161 https://www.suzusho.co.jp
(2) 能登・わじまの海塩
200g 株式会社美味と健康 TEL.03-6868-3521 https://www.wajimanokaien.com/
(3) 浜御塩
400g 株式会社 白松 TEL.03-5570-4545 http://www.hakumatsu.co.jp
調味料の「す」:[酢]選びたいのは静置発酵タイプ。 旨味があるのが魅力です。
「酢には静置発酵といって時間をかけて発酵させたものと、短期間で発酵させる速醸法(全面発酵)によるものがあります。流通している安価な酢はほとんどが後者ですから、できたら静置発酵と書かれているものを使ってください。酸味だけではない、旨味、自然の甘味があります」。そんな山脇さんが10年以上使っているのが「雑賀 吟醸酢」。酒粕を2年寝かせて造る赤酢で「旨味もあるし、ツンとした酸味もないので酢が苦手な人にもおすすめです」。飯尾醸造「純米富士酢」もていねいに作られていて信頼できるとのこと。
(1) 純米富士酢
360ml 株式会社 飯尾醸造 TEL.0772-25-0015 https://www.iio-jozo.co.jp/
(2) 雑賀 吟醸酢
1升 株式会社 九重雜賀 TEL.0736-66-3160 https://www.kokonoesaika.co.jp/
調味料の「せ」:[醤油]おいしい醤油があれば冷や奴や目玉焼きがご馳走に。
醤油の原料は大豆と小麦、塩、水のみ。それ以外が入っているものは避け、大豆には脱脂加工大豆ではなく丸大豆を使用したものを。「原料の生い立ちにこだわる醤油蔵は丸大豆を使います。醤油がまろやかになり、コクも出るそう」。また「醤油蔵は保育器といわれます。蔵によって住む菌が違うので同じ原料でも味わいが違うんです。私は長く住み着いた菌がいる木桶で仕込まれた醤油が好みです」。おすすめは力強い風味の再仕込み醤油「鶴醤」、キリッとした味わいの「三ツ星醤油」、地元・長崎のチョーコー醤油「超特選むらさき」(こちらは木桶ではありません)。
(1)超特選むらさき
1リットル チョーコー醤油株式会社 TEL.0120-040-500 https://choko.co.jp
(2)三ツ星醤油
900ml 堀河屋野村 TEL.0738-22-0063 http://www.horikawaya.com
(3)鶴醤 再仕込醤油
500ml ヤマロク醤油株式会社 TEL.0879-82-0666 http://yama-roku.net
調味料の「そ」:[味噌]天然醸造したものは 味わい深く、やっぱりおいしい。
「味噌も天然醸造がおすすめ。味噌は地域差が大きなもの。生まれ育った地域で好みの味を見つけるのがよいと思います。私は、ベースは手前味噌です。調味料の中で最も自分で作りやすいのでぜひ」。そんな山脇さんが使う市販品は地元・長崎の「無添加 長崎麦みそ」。子どものころから馴れ親しんだ味とのこと。また金沢の麹屋が造る米味噌「三年味噌 命」は3年熟成もので、味わいがしっかりしているそうです。「白味噌はうまく作れないので、京都・山利の白味噌も常備。サワークリームに混ぜてマヨネーズ代わりにしてもおいしいですよ」
(1) 無添加 長崎麦みそ
750g チョーコー醤油株式会社 TEL.0120-040-500 https://choko.co.jp
(2) 三年味噌 命
500g 髙木糀商店 TEL.076-252-7461 http://takagikouji.com
『Dr.クロワッサン 免疫力アップの決め手、腸内環境を強くする』(2020年7月30日発行)より。
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