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もっと知りたい、腸に直接働きかけるヨーグルトのこと。

腸の健康を支えるのが腸内細菌、乳酸菌やビフィズス菌をヨーグルトから摂ろうと思う人も多いはず。
さまざまな菌の名前がパッケージを飾るいま、ヨーグルトのことをもう少し知りたい。
発酵の名門、東京農業大学の専門家に教わりました。
  • 撮影◦黒川ひろみ 文◦韮澤恵理

ビフィズス菌や乳酸菌は 食べて腸内細菌を応援。

ビフィズス菌、乳酸菌は腸内にすんでいて、繁殖して増えたり、体調で減ったりするよい菌です。

善玉菌を増やし、腸内環境を整えるといえば、ヨーグルト。その素朴な疑問を解決します。

●生きたまま腸に届く菌とは?
胃酸や胆汁などに強く、生きたまま腸に届く菌をプロバイオティクスといい、腸内で善玉菌として活躍します。腸内細菌のエサになるオリゴ糖や食物繊維はプレバイオティクスと呼ばれます。

●死んだ菌は役に立たないの?
死んだ菌も腸に届くと免疫力を向上させます。善玉菌を応援したり、エサになったりして、腸内環境を整える効果も発揮します。

●毎日食べるといい理由は?
生きて腸に届いても、腸にいられるのは数日。すみ着くことはありません、だから、毎日食べることが大切なのです。

【3大腸内善玉菌】

●乳酸菌
 ↓
[乳酸]
生きた乳酸菌は乳酸を生み、腸内を酸性にして悪玉菌の繁殖を抑える。食べて補充できる。

●ビフィズス菌
 ↓
[酢酸など]
ビフィズス菌は酢酸、乳酸などを生み、腸内を酸性にするとともに、短鎖脂肪酸として活用される。

●酪酸菌
 ↓
[酪酸]
腸内で酪酸を作る菌。生み出された酪酸は腸内粘膜の主要なエネルギー源になる。食材から摂り入れるのはむずかしい。

菌の種類、健康効果、糖を加えているか、乳脂肪を含むかなどでさまざまな種類がある。相性があるので自分に合うものを見つけるといい。

毎日200g目標

一度にたくさん食べるより、毎日200gを目安に食べるのがおすすめ。カップタイプは1つ100g程度、大きなパックは400〜500g。オリゴ糖が豊富なはちみつと食べるのはおすすめ。

【乳酸菌やビフィズス菌の株とは?】

乳酸菌やビフィズス菌にはさらに種類があり、それが株と呼ばれています。
株によって効果や性質に違いがあり、人によって相性もあります。

●LGG乳酸菌
乳酸菌ラクトバチルスGG株といい、生きたまま腸に届き、腸に長くとどまる持続性乳酸菌。

●ガセリ菌SP株
脂肪の吸収を抑え、内臓脂肪減少を助ける。お腹の調子を整え、比較的長く腸にとどまる乳酸菌。

●ラブレ菌
漬け物由来の植物性乳酸菌で生きたまま腸に届き、免疫力を上げ、お腹の調子や便通を整える。

●ビフィズス菌SP株
ヒト由来のビフィズス菌で、大腸に長くとどまり、便通を整え、お腹の調子をよくする。

●R-1乳酸菌
乳酸菌1073R-1株といい、免疫に関わるNK細胞を活性化する。抵抗力を高める。

●LB81乳酸菌
腸内細菌のバランスをよくし、お腹の調子を整える。腸の内壁を守り、腸管バリアを守る。

●クレモリス菌FC株
カスピ海ヨーグルトに由来する乳酸菌の一種。生きたまま腸に届き、お腹の調子を整える。

●LKM512株
生きたまま腸に届いて腸内で増え、腸のバリア機能を高めるビフィズス菌。便通、肌の調子を改善。

●乳酸菌シロタ株
生きたまま腸に届き、よい菌を増やして悪い菌を減らし、お腹の調子を整える。免疫力強化も。

●LG21菌
胃酸に強く、胃にとどまって増殖もする乳酸菌。胃の健康を守る働きがある。

●BE80菌
生きたまま腸に届き、生存率の高いビフィズス菌。特に便秘に効果的で、お腹の調子を整える。

●Bb-12株
特に酸に強く、生きたまま腸に届くビフィズス菌で、腸の調子を整える。免疫力の向上も見込める。

●Lカゼイ菌
生きたまま腸に届く乳酸菌。腸内でも増え、よい菌を増やして悪い菌を減らし、お腹の調子を整える。

●PA-3乳酸菌
摂取したプリン体を分解し、尿酸値の上昇を抑える働きがある乳酸菌。

●BB536株
ヒト由来のビフィズス菌で生きたまま腸に届き、悪玉菌の繁殖を抑えてお腹の調子を整える。

●FK120株
生きたまま腸に届き、よい菌を増やして悪い菌を減らし、お腹の調子を整えるビフィズス菌。

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