体の中から抗酸化力アップ! ビーツを使った和風ハンバーグとさつま汁のレシピ。
撮影・津留崎徹花 文・板倉みきこ
さつま汁
出汁なしでも旨味しっかり、濃厚で具だくさんの鹿児島の郷土料理。
【材料(2~3人分)】
ビーツ50g
大根50g
鶏もも肉100g
さつまいも50g
ごぼう30g
長ねぎ1/4本
しょうが1かけ
水4カップ みそ30~40g
【作り方】
1.鶏肉は一口大に切る。さつまいもは1cm厚さのいちょう切り、ビーツと大根は5mm厚さのいちょう切り、ごぼうはささがきにする。
2.鍋に水、鶏肉、ビーツ、大根、さつまいも、ごぼうを入れて火にかけ、15分ほど中火で煮る。
3.2にみそを溶き入れ、すりおろしたしょうがを加えて2分ほど煮て火を止める。椀によそい、小口切りした長ねぎをあしらう。
和風 ハンバーグ
ビーツと玉ねぎをたっぷり入れて、定番家庭料理をヘルシーに。
【材料(2個分)】
合いびき肉200g
ビーツ50g(みじん切り)
玉ねぎ1/4個(みじん切り)
塩小さじ1/2
胡椒少々
油大さじ2
酢醤油[酢、醤油各大さじ1 みりん小さじ1]
大根おろし大さじ2
大葉4枚
【作り方】
1.ボウルに合いびき肉、塩、胡椒、水大さじ2を入れてよく練る。
2.フライパンに油大さじ1、玉ねぎ、ビーツを入れて全体がしんなりするまで弱めの中火で炒める。粗熱が取れたら1に加えてよく混ぜ、2等分する。
3.フライパンに残りの油を熱し、2を両面中火で蒸し焼きする。器に大葉を敷き、焼いたハンバーグを盛り付け、大根おろしをのせて酢醤油をかける。
ビーツのうれしい健康効果
■ベタシアニン(ポリフェノール)
ー 抗酸化、アンチエイジング
■カリウム
ー 高血圧予防、むくみ解消
■鉄
ー 貧血改善、疲労解消
■硝酸イオン
ー 血流改善、冷え性予防
■天然のオリゴ糖
ー 腸内環境の改善、コレステロールの抑制
■そのほかにもいろいろ(ビタミン、食物繊維豊富)
その栄養価の高さから“奇跡の野菜” “食べる血液”などと称されるビーツ。最近ではスーパーでも見かけるようになったが、調理法はボルシチくらいしか浮かばず、なかなか日々の食卓に応用しづらい印象も。
「ロシア料理のイメージが強い野菜ですが、私はこれまで、ヨーロッパや中東、インド、メキシコなど、世界中で家庭的なおいしいビーツ料理に出合いました。茹でてサラダに、煮込み料理やジャムなど、レパートリーは豊富。ビーツ料理を研究して食べ続けていたら、血流がよくなったり、体が軽くなるのを感じたほどです」(料理研究家・荻野恭子さん)
ビーツの最大の特徴は鮮やかな深紅色。
「この色が抗酸化作用の強さの証し。ただ、日々の食事には色が気になるかしら、とも思いましたが、作ってみたら問題なし。肉じゃがやカレーなど、毎日のお惣菜に使ってもいけますし、加熱することでオリゴ糖の甘みが出て、料理の味に丸みやコクがプラスされます」
オリゴ糖は腸内環境の改善を期待できる栄養成分。砂糖やみりんなどの調味料を少なくしても味が決まるので、かえってヘルシーというわけだ。とはいえ、ビーツ独特の土っぽい味わいを敬遠してしまう人も多いはず。
「日々おいしく、手軽に食べられるよう考案したのが、ビーツの甘酢漬けです。加熱でコクや甘みが増し、土っぽさが抜けて扱いやすくなります」
最近は値段も手ごろになってきたし、日本の食卓にも合うレシピもいろいろ。ビーツの健康効果を実感してほしい。
『クロワッサン』1047号より