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自然の素材で腸を整える! 奄美大島〝ミキ〟のアレンジレシピ。

気圧や気温、湿度の変化からくる夏の疲れを乗り切るために、整えておきたい腸内環境。
その秘訣を専門家に教わります。
  • 撮影・小川朋央 スタイリング・佐野友美 イラストレーション・植松しんこ 文・倉石綾子 撮影協力・UTUWA

100歳以上の長寿者の人口が全国平均の3倍にも達する長寿の島、奄美群島。長寿の秘密はここならではの伝統食といわれている。その一つが、“ミキ”。

お粥とサツマイモで作られる発酵飲料で、かつてはお神酒として尊ばれてきたもの。この長寿飲料に魅せられたのが自然料理家の田町まさよさんだ。

「一般に普及している市販の“ミキ”は、砂糖を使っていてとても甘いのです。ところが、島で手づくりされているものを飲んだら砂糖不使用でおいしかった。そこで砂糖を使わず作りやすい“ミキ”のレシピを開発したのです」

砂糖不使用の“ミキ”は、さわやかな乳酸菌飲料といった味わい。実際、かつて神棚に供えられていた手づくりの“ミキ”には砂糖は使われていなかったという文献もある。砂糖なしこそが本来のレシピなのかもしれない。

豊富な乳酸菌が腸内環境を整えるばかりか、消化吸収にも優れ、これからの季節の栄養補給源にもぴったり。豆乳で割って、ドレッシングやソースに仕立て、さまざまに楽しめる。

「発酵の合図は酸味のある味や香り、もしくはブツブツと泡が立ったら。1日1回かき混ぜて、発酵度合いをチェック。また、膨張するので容器の7分目を満量とし、フタを緩めて保存を」

アレンジレシピもぜひ試してみて。

基本の“ミキ”の作り方。

【材料】
米500g
サツマイモ100g(皮をむいた状態で)
水2L

1.分量の米と水でおかゆを炊く。

2.サツマイモは皮をむき、30分ほど水にさらす。

3.1が人肌程度に冷めたら、すりおろしたサツマイモを加えてよく混ぜる。

4.水っぽく均一になるまで混ぜたら蓋をして常温(20度以上)に置き、時々かき混ぜながら発酵させる(1〜3日程度)。酸味のある味と香りが発酵の目安。

5.発酵したらミキサーにかける。蓋付きの容器に移して冷蔵庫へ。2週間程度保存可能。

【〝ミキ″を使ったアレンジレシピ。】

梅ミキ

梅エキスが滲み出たミキの酸味が食欲不振に効く!

【材料】
完熟梅適量
ミキ適量

【作り方】
1.梅を洗って切り目を入れ、容器に入れる。梅がひたひたになるまでミキを注ぎ、かき混ぜる。
2.常温に一晩置いたら冷蔵庫へ。ミキが減ったら注ぎ足す。1年程度保存可能。

バナナとクルミのミキケーキ

軽食にもなる食べ応え。油不使用でヘルシー&あっさりした味わい。

【材料(18×8cmのパウンドケーキ型1台分)】
薄力粉200g
黒糖50g
ミキ300ml
バナナ1本
クルミ20g
シナモン少々

【作り方】
1.バナナは皮をむいて輪切りにし、飾り用に少し取り分けておく。クルミはみじん切りにする。
2.クルミ、バナナ、薄力粉、黒糖、ミキを合わせてざっくり混ぜる。生地が硬すぎるようなら水を適宜足す。
3.2をパウンドケーキ型に流し、表面にバナナを飾ってシナモンを振る。蒸し器で30分程度加熱し、竹串を刺して生地がつかなくなったら火からおろし、器に盛る。

水キムチ冷や麦

麺はもちろんご飯にも!つけ汁ごといただけば腸ケア効果がアップ。

【材料(作りやすい分量)】
水キムチ[キャベツ1/4個、タマネギ1個、キュウリ2本、ニンジン1/2本、ニンニク2かけ、ショウガ3かけ、鷹の爪適量、塩 全量の重さの5%、ミキ100~200ml]
ワケギ適量
冷や麦
*水キムチの野菜は、季節の野菜で代用可。

【作り方】
1.水キムチを作る。キャベツをざく切りにして塩でよく揉む。タマネギは薄切り、キュウリは輪切り、ニンジンはイチョウ切りにし、キャベツから水分が出たらすべての野菜を加えてよく揉む。
2.すりおろしたニンニクとショウガ、種を取った鷹の爪、ミキを1に加えてよく混ぜる。ひたひたになるくらいの水を加えてよく混ぜ、重しをのせて常温に一晩置く。
3.重しを取ってよく混ぜ、酸味が出るまでさらに常温に置く。発酵したら冷蔵庫へ。1日1回かき混ぜながら、2週間程度保存可能。
4.表示どおりに冷や麦を茹で、茹で上がったら水にさらして水気をよく切り、器に盛る。水キムチをつけ汁ごと冷や麦に合わせ、小口切りにしたワケギをのせる。

ミキの豆乳ヨーグルト

自分で育てる植物性ヨーグルトを毎朝の食卓の定番に。

【材料(作りやすい分量)】
無調整豆乳300ml
ミキ100ml

【作り方】
1.ミキと豆乳をよく混ぜ、蓋をして常温に一晩置く。
2.固まったら冷蔵庫へ。減ったら豆乳のみを注ぎ足してよく混ぜ、常温に置いて発酵させる。これを繰り返し、固まらなくなったらミキを注ぎ足す。

田町まさよ

田町まさよ さん (たまち・まさよ)

自然料理家、ミキ伝道師

20年暮らした奄美大島で島の自然食のパワーに開眼。全国を巡って"ミキ"の普及に努めている。今夏、山梨県北杜市に"ミキ"の醸造所を設立予定。

『クロワッサン』1047号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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