「健康とは腸内環境を良好に保つこと」と内科医の桑島靖子さんは言います。そのために役立つのが発酵食品で、着目したのが甘酒でした。
「甘酒といっても酒粕で作る甘酒ではなく、米麹で発酵させた甘酒です。
麹甘酒には善玉菌のエサになるオリゴ糖、食物繊維が豊富で、短鎖脂肪酸のひとつである酪酸を作ります。
これは大腸の細胞のエネルギー源で、腸粘膜の修復やバリア機能を高め、腸内を酸性に保って悪玉菌の増殖を防ぎ、発がんを抑えます。腸のぜん動運動を促すので便秘も解消。
また、免疫バランスを調節する働きがあり、喘息(ぜんそく)やアトピーなどの予防や改善が期待できます。しかも、血糖値を下げるインスリンの分泌を促す『インクレチン』というホルモンを増やす作用があり、糖尿病の予防・改善にも役立ちます」
このように腸内環境の改善に効果を発揮し、病気予防につながる甘酒ですが、胃腸の働きを助ける酵素やビタミンB群を豊富に含みます。
「ビタミンB群はストレスなどによって失われやすく、血糖値が高い人は不足気味ですが、たんぱく質、糖質、脂質の代謝に欠かせません。糖の代謝や脂肪の燃焼を促進するので、肥満を解消したり、疲労や夏バテの回復にも効果的です」
甘酒は少量を毎日摂取するだけで十分効果が期待できるといいます。日々飲み続けることが大切です。