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毎年冬になると、全身が乾燥します。更年期の症状でしょうか。【88歳の現役婦人科医師 Dr.野末の女性ホルモン講座】

産婦人科医師の野末悦子さんに教わります。
  • 撮影・岩本慶三 イラストレーション・小迎裕美子 構成・越川典子

Q. 毎年冬になると、全身が乾燥します。更年期の症状でしょうか。

もともと肌が敏感なほうなのですが、更年期に入り、年々乾燥がひどくなっています。1日履いていた黒いタイツを脱ぐと、内側に真っ白な粉がびっしりつくほどです。保湿クリームをつけてもすぐに乾燥してしまい、かゆみも。寝ているときに無意識にかいているようで、カラダ中にかき傷ができています。更年期の症状なのかとも思うのですが、他に気になる症状はなく、こんなことで婦人科に行ってもいいものか、悩んでいます。(C・Kさん 52歳)

A.ホルモン補充療法 (HRT)は、皮膚の乾燥にとても有効です。

C・Kさん、お便りをありがとうございます。皮膚のかゆみ、おつらいですね。小さな不快症状も長く続くと、思いの外ストレスが大きく、QOL(生活の質)が下がります。

今まで何ともなかったのに、衣服のタグがちくちく感じるようになったり、ブラジャーやガードルの跡が赤く腫れたり、ナプキンやおりものシートでかぶれたり――こうした皮膚トラブルは、更年期の悩みとしてはとてもポピュラーなんです。

【皮膚の乾燥の一症状です】
□ いつものスキンケアではもの足りなくなった
□ ニットや服のタグで肌がチクチクする
□ 肌のハリがなくなった
□ ほうれい線が気になる
□ 小ジワが増えた
□ 首のシワ、たるみが出てきた
□ 脚が乾燥して、粉が吹くように

季節だけが原因ではなく、更年期に入ると皮膚の乾燥がすすむ。「根本治療であるHRTをすすめます」(野末さん)
※編集部作成

女性ホルモンであるエストロゲンが減ることで、コラーゲンの生成や水分保持能力、皮脂の分泌が減少し、皮膚表面だけではなく、目や口腔内、膣など全身の粘膜も薄く、乾きやすくなってしまうのです。いわゆるドライシンドロームですね。

乾燥を放置しておくと、皮膚のバリア機能がどんどん低下して、かゆみやかぶれが悪化してしまいます。
C・Kさんは皮膚科での治療もなさっているのでしょうか。ステロイドなどの塗り薬、かゆみ止めなど飲み薬も効果があると思いますが、エストロゲンの低下が原因で引き起こされる諸症状に対しては、根本治療であるホルモン補充療法(HRT)がとても有効です。
「皮膚のかゆみで婦人科に……」とためらう必要はありません。更年期症状は、まさに百人百様。遠慮なく医師に伝えてください。くれぐれも不快症状を我慢しないようにしましょう。

セルフケアでおすすめしたいのは、オイルパックです。上質な椿油を全身にすりこんで、1時間くらい浸透させてから入浴します。肌がしっとりなめらかになります。週に1〜2回、お試しください。
ふだんの入浴では、汚れがたまりやすい外陰部、腋下を、石鹸の泡をそっとのせるようにして洗えば充分。皮脂を落としすぎないようにしましょう。顔は、お化粧をしていなければぬるま湯で洗うだけにします。髪も充分シャワーで流せば、シャンプー剤は最小限で洗えます。

直接肌にふれる下着を、綿やシルクなど天然素材に替えてみてもいいですね。ラクになると思います。

※症状や治療法には個人差があります。必ず専門医にご相談ください。

小さな不快症状を放っておかず、ケアをしよう。(Dr.野末)

野末悦子

野末悦子 さん (のずえ・えつこ)

産婦人科医師

横浜市立大学医学部卒業。川崎協同病院副院長、コスモス女性クリニック院長、久地診療所初代所長、介護老人保健施設「樹の丘」施設長などを歴任。

『クロワッサン』1033号より

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