足をよく動くようにする簡単エクササイズ。【いますぐ始める膝痛対策】
文・及川夕子 撮影・岩本慶三 イラストレーション・松元まり子 モデル・くらさわかずえ スタイリング・高島聖子 ヘアメイク・村田真弓
前脛骨筋を鍛えて歩行をスムーズに。
脛(すね)の前にある筋肉は「前脛骨筋(ぜんけいこつきん)」と呼ばれ、土踏まずのアーチを作ったり、つま先を持ち上げたりするときに働く筋肉。前脛骨筋の力が弱まると転びやすくなったり、膝にも負担がかかります。
また、猫背の人や足のアーチがくずれている人では、脛が下方向に引っ張られることで脚全体のバランスが悪くなり、結果として膝痛の原因にもなります。
ここでは、まず脛の筋肉を鍛えるエクササイズを行います。
前脛骨筋が適切に働くようになると、かかとから踏み込む正しい歩行ができるようになり、足の動きが良くなります。膝痛の予防・改善はもちろん、足のアーチのくずれ予防にも効果的。
シンプルな動きだからこそ、鍛えるべき部位に意識を集中することが大事です。集中するとしないとでは、大きな違いが出ます。
【足をよく動くようにする】
バランスよく立てるようになって、膝への負担を軽くする。
かかとを支点に、足を上下に動かす。
背筋を伸ばしてイスに座る。つむじが天井から引っ張られているようなイメージで。
(1)かかとを床につけたまま、4秒かけてつま先を上げ4秒かけて戻す。これを10回繰り返す。
(2)両足同時にできる人は同時に。呼吸は止めずに、脛の筋肉に意識を集中しながら行う。
左右交互につま先を上げ下げしてもOK。足の甲を反らすようにつま先を上げて下ろす。動作はゆっくりと行う。
脚全体の柔軟性アップ。痛み軽減も期待できる。
足首をほぐして、ねじれた脛や膝を正しい位置に戻す「サークル」という足首回し運動です。
体と脳は密接な関係にあり、体を動かすとさまざまな情報が脳に送られ、脳からは適切な動きをするように筋肉へ指令が出されます。足には靭帯(じんたい)や神経が集中しているため、足を動かすとそれだけで脳に刺激を与え、活性化することができると考えられています。
また、運動をすることで、脳から痛みをやわらげる神経伝達物質が出されることもわかっています。神経は脳と反対側に作用するので、左半身を動かすと、右膝の痛みが軽減するといったことも起こります。
座って足首を回す単純な運動でも、十分効果を得られます。膝に痛みが出ている人も、できる範囲で毎日続けましょう。
時計回し・反時計回しの両方を行うことで、足を動かしにくいところや苦手なポイントも把握しやすくなります。意識を集中して丁寧に行うことが大事です!
足を時計回り、反時計回りに回す。
イスに座って左右どちらかの足を上げ、時計回りにゆっくりと足首を回す。1分間、回し続ける。足を替えて同様に。
反時計回りも行う。片足ずつゆっくりと1分間、足首を回し続ける。
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