からだ

膝のねじれを直す簡単エクササイズ。【いますぐ始める膝痛対策】

  • 文・及川夕子 撮影・岩本慶三 イラストレーション・松元まり子 モデル・くらさわかずえ スタイリング・高島聖子 ヘアメイク・村田真弓

正しい動きを覚えると膝の屈伸がスムーズに。

このエクササイズの目的は、正しい膝の動きを再現し、体に覚えさせること。

前のページの足の内旋・外旋運動が終わったら、足と脛を内側に回した状態で膝を曲げる運動を行います。

さらに進められそうなら、膝を伸ばす運動を加えます。膝の裏側の筋肉に力が入った状態で行うことが大切。力が抜けてしまうとエクササイズの効果がなくなってしまうので気をつけて。

膝関節の生理的な動きとして、まっすぐに伸びるときには、脛の骨(ふくらはぎ)が外旋して外にねじれて安定した位置にはまります。対して、膝を曲げるときには脛が内側にねじれる(内旋)動きをします。これができていると膝の曲げ伸ばしがスムーズに。痛みも出にくくなります。

エクササイズを継続することで、脛が正常な位置に戻ってくると、膝の可動域も広がり曲げ伸ばしがしやすくなります。根気よく毎日、続けましょう。

足を内側に向けたまま曲げ伸ばし。

(1)椅子に座り両手で膝を固定する。つま先を脛に近づけるように上げて、足と脛を内側に回す(内旋した状態を作る)。

(2)足と脛が内旋した状態のまま膝を曲げていく。行けるところまで曲げ、5秒キープして足を下ろす。ここまでの動作を10回繰り返す。

(3)できる人は、膝を曲げた後に伸ばす動きを加える。5秒キープした後、足を下ろす。最初からここまで1セットとして10回繰り返す。

足を替えて同様に行う。膝に痛みを感じたら、曲げ伸ばしができるところまででOK。焦らず少しずつ可動域を広げていこう。

誰でもある歩行グセを自分で直す練習法。

最後は、歩行時の正しい太腿と膝の向きを体に覚えさせるエクササイズです。

人の体の構造上、立っているときには股関節の真ん中、膝、足の人差し指を結んだラインがまっすぐになるのが理想的。一方、歩行時には膝を足の薬指方向の角度に曲げるのが正しい運動軸になります。このルールが守られていれば、ストレスなく膝を曲げられます。

しかし、悪い姿勢や内股、ガニ股などの歩行グセがあると、足のねじれが強くなり膝痛が起こりやすくなります。

このエクササイズでは、棒を持って正しい方向に踏み出す動作を繰り返し行います。土台の足と脛は固定したまま、太腿を前に倒して膝を曲げていきましょう。

左右でやりやすい足、やりにくい足が出てくるかもしれません。膝を曲げたとき、親指が浮きそうになる場合には脛のねじれが強い可能性が。親指が浮いてこないように体幹を使い、棒を押しながらしっかり踏み込んでください。

動きの軸になる足の薬指に向けて膝を曲げる。

静止時には、膝と人差し指がまっすぐな位置になるのがよい状態。運動時には、膝が薬指方向に曲がるのが正しい曲げ方。

足を前後に開いて、棒を持ってまっすぐ立つ。猫背・反り腰にならないように姿勢よく。

足の中指の先に棒の位置をセット。掃除用のフロアワイパーなどを使ってもOK。

ゆっくりと薬指方向に膝を曲げていく。膝の位置は棒の外側。親指が浮いてこないように前に踏み込むようにするといい。

膝を曲げた姿勢で3秒間キープ。痛みがある人は曲げられるところまで。最初に戻り10回繰り返す。足を替え同様に行う。

鈴木孝佳

教えてくれたのは

鈴木孝佳 さん (すずき・たかよし)

パーソナルトレーナー

姿勢、不調を改善する専門家。脳神経学、機能解剖学、運動生理学、栄養学に基づき延べ8,000人の体を改善。パーソナルトレーニングスタジオb{stoic代表トレーナー/最高技術責任者。

キャミソール10,000円、ショートパンツ9,000円 ダンスキン/ゴールドウインカスタマーサービスセンター TEL.0120-307-560

『Dr.クロワッサン 何歳からでも骨は強くなる』(2020年3月28日発行)より。

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