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ウォーキングで骨力、筋力、柔軟性をまとめて鍛える。

骨力、筋力、柔軟性をつけ、心肺能力も上がる全身運動。
楽しみながら続けられるので最高のトレーニングです。

文・吉田真帆 撮影・鈴木江実子 イラストレーション・松元まり子 モデル・寿々ともみ

レベル1:正しいウォーキングで骨力、筋力を高める

[目標]1日30分以上、または3000歩以上

ウォーキングで骨力、筋力、柔軟性をまとめて鍛える。

(1)まっすぐ立つ
耳、肩、足の付け根の骨、外くるぶしが一直線になるよう意識するのが、まっすぐに立つコツ。人に見てもらうといい。

(2)一歩踏み出す
やや大股で踏み出す。腕は大きく振り、視線は遠くの方へ。踏み出した足をかかとから着地させると、骨力アップに。

(3)後ろ足で蹴り出す
後ろ足の重心をかかとから親指へ移し、体を前に押し出して前足に体重を移動する。同時に後ろ足を指先で蹴り出す。

(4)反対の足を踏み出す
前足に完全に体重を移動させる。同時に後ろ足を前に向かって大きく踏み出す。3〜4をリズミカルに繰り返す。

●10分歩いたら
まず適度に歩いて体が温まってきたらストレッチを兼ねた休憩をはさむ。

ウォーキングで骨力、筋力、柔軟性をまとめて鍛える。

レベル2:インターバルのストレッチで効果的に柔軟性を高める

[目標]ウォーキング10分ごとにストレッチ3分

<ときどき止まってストレッチ>

ウォーキングの前後や途中でストレッチをし、柔軟性を高めます。公園や空き地など、安全な場所で行いましょう。

ウォーキングで骨力、筋力、柔軟性をまとめて鍛える。

アキレス腱伸ばし
足を前後にして立ち、前足は膝を曲げ、後ろ足は伸ばす。上半身は立てて手を腰に当てる。ふくらはぎが伸びるのを感じながら10秒キープ。逆側も同様にする。

ウォーキングで骨力、筋力、柔軟性をまとめて鍛える。

足伸ばし
足を肩幅よりもやや開いて立ち、両膝を曲げて上に手を置く。片足をつま先を上げながら伸ばし、もう片方の足はさらに膝を曲げる。足の内側が伸びるのを感じながら10秒キープ。逆側も同様にする。

ウォーキングで骨力、筋力、柔軟性をまとめて鍛える。

腕伸ばし
まっすぐに立ち、片腕をもう片腕で抱えるようにして、反対側へ伸ばす。二の腕が伸びるのを感じながら10秒キープ。逆側も同様にする

10分からでいいことずくめ。オールマイティーな運動に。

ウォーキングは骨力、筋力、柔軟性などがまとめて鍛えられる、複合的なエクササイズです。

ウォーキングでは前進するときに足を前に踏み出し、かかとから着地します。これは「かかと落とし」と同様、骨を刺激して骨細胞を活性化する効果があり、骨密度がアップして骨粗しょう症の予防につながります。

また、ウォーキングをするときには、足の裏を含め、ふくらはぎや太腿、お尻など下半身全体の筋肉も使います。筋力やバランス力アップに効果絶大。さらに、足の付け根をはじめ、全身の関節を動かすので、柔軟性も高くなります。転びにくい体を作る多くの効果が期待できるわけです。

10分間ウォーキングをすると、約1000歩歩いたことになります。健康のためには、女性は1日に8300歩以上、男性は9200歩以上歩くといいといわれていますが、日常生活のなかでの歩数を含めると、ウォーキングを30分行えば、1日の目標が達成できるでしょう。最初は10分でも効果は得られます。自分の体力に合ったペースで、無理なく続けるうちに、自然と距離もスピードも上がっていくので、焦らずにまず歩き始めること。

軽く息が上がる程度に歩くことで、心肺機能も鍛えられます。血行がよくなり、新陳代謝もアップ。見た目の若さにもつながります。歩きながら景色を見たり、新鮮な空気を吸ったりすることでリフレッシュし、脳の活性化、若々しさのキープも。これもウォーキングがいいことずくめという理由です。

ウォーキングで骨力、筋力、柔軟性をまとめて鍛える。
  • 加藤木丈英

    教えてくれたのは

    加藤木丈英 さん (かとうぎ・たけひで)

    理学療法士

    聖隷佐倉市民病院リハビリテーション室係長。骨粗鬆症マネージャー。病院でのリハビリ指導に加え、骨粗しょう症予防の啓蒙にも力を尽くしている。骨粗しょう症対応での多職種協業の質向上にも取り組んでいる。

『Dr.クロワッサン 何歳からでも骨は強くなる』(2020年3月28日発行)より。

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