西洋医学では一般的に病気を局所的な原因に求め治療を行います。
対する東洋医学では、不調は部分のトラブルではなく、全身の流れ、体のパワーバランスの乱れとして捉えます。具体的には体には「気」「血」「水」の3つの流れがあり、そのどれか、または全部が滞ったり、不足したり、過剰になると不調になると考えます。
さらに東洋医学特有の考え方に「証(しょう)」があります。体質や体力に近いものです。東洋医学では「証」を不調と戦う力として、とても重く見ます。エネルギー過剰な実証、エネルギー不足の虚証、中等度の「虚実間証」の人もいます。
こうして体のトラブルを3つのめぐりや体質で考える東洋医学では、治療も、症状ではなく「状態」に対して行います。
漢方薬は、体質やめぐりを改善する働きをもつ植物など(生薬(しょうやく))を数種類組み合わせた薬です。本来は煎じて煮出し、煎じ汁を飲むものでしたが、今はエキスを顆粒(かりゅう)にしたものが主流になっています。