真っ暗にして眠る。【専門家に教わる快眠メソッド】
撮影・岩本慶三 イラストレーション・山口正児 文・嶌 陽子
真っ暗にして眠る。
「目はまぶたを閉じていても光を感知できるほど敏感な部位。光を感じると体が覚醒モードになってしまいます。眠る際には、部屋を真っ暗にするのが理想です。暗闇が苦手な人は、目線より低い位置に取り付けて使う人感センサーライトなど、間接照明を活用してみてください」
光の明るさとともに重要なのは、色。白っぽい光は交感神経を、暖色系の光は副交感神経を活性化させる。就寝1時間くらい前からは蛍光灯ではなく、オレンジ色の白熱灯など、暗めの暖色系の照明を使うようにしよう。
「睡眠のとり方次第で、太りやすい体にも痩せやすい体にもなります」
そう語るのは、睡眠コンサルタントの友野なおさん。自身もよく眠ることで15kg痩せたという経験の持ち主だ。
「睡眠が不足すると食欲が増すグレリンというホルモンが増加し、食欲を抑えるレプチンというホルモンが減ることがわかっています。また、寝不足だと糖質や脂質を強く求めるようになるうえに代謝も落ちるので、より太りやすい体になってしまうのです」
理想の睡眠時間は7時間程度。難しければせめて起床時間を一定にし、体内リズムを整える。目覚めた時に熟睡したと感じられる良質な睡眠をとることで、自然と食欲のバランスが整い、痩せやすい体が作られる。
「私自身、睡眠を改善したら暴飲暴食が止まり、ジャンクフードを食べたくなくなりました。ストレスなく、気づいたら痩せていたというのが実感です。忙しくてジムなどに行く暇がないという人こそ、睡眠を有効活用しない手はありません。一歩ずつ、できることから取り入れてみてください」
【睡眠時間と肥満度の関係】
『クロワッサン』1037号より