眠る前に目元を温める。【専門家に教わる快眠メソッド】
撮影・岩本慶三 イラストレーション・山口正児 文・嶌 陽子
眠る前に目元を温める。
人の体には皮膚温度と深部体温(内臓の温度)の2つの体温があり、四肢の皮膚温度が上がることで深部体温が下がり、眠くなるようになっている。
「就寝前に目元を10分ほど温めると血管が拡張、血行がよくなって手足の皮膚温度が上がります。すると深部体温がしっかりと下がり、スムーズに入眠することができるのです。温めたタオルを使うほか、市販のホットアイマスクを使うのも手です」
昼間は長時間、PCやスマホの画面を見ていることも多い昨今。目元を温めることで、眼精疲労を和らげ、副交感神経を優位にするという効果もある。
「深部体温を下げ、副交感神経を優位にすることは深い睡眠を得るための大切なポイント。この視点からいうと、入浴に関しても快眠にとって最適なタイミングや温度があります。深部体温を下げるには寝る1~1.5時間前の入浴がベストタイミング。
また40度より低い湯温が副交感神経を優位にします。ただし冬場はそれだと寒く感じてしまうことも。その場合は、血行を促進して体感温度を上げてくれる炭酸入浴剤を活用するといいでしょう」
「睡眠のとり方次第で、太りやすい体にも痩せやすい体にもなります」
そう語るのは、睡眠コンサルタントの友野なおさん。自身もよく眠ることで15kg痩せたという経験の持ち主だ。
「睡眠が不足すると食欲が増すグレリンというホルモンが増加し、食欲を抑えるレプチンというホルモンが減ることがわかっています。また、寝不足だと糖質や脂質を強く求めるようになるうえに代謝も落ちるので、より太りやすい体になってしまうのです」
理想の睡眠時間は7時間程度。難しければせめて起床時間を一定にし、体内リズムを整える。目覚めた時に熟睡したと感じられる良質な睡眠をとることで、自然と食欲のバランスが整い、痩せやすい体が作られる。
「私自身、睡眠を改善したら暴飲暴食が止まり、ジャンクフードを食べたくなくなりました。ストレスなく、気づいたら痩せていたというのが実感です。忙しくてジムなどに行く暇がないという人こそ、睡眠を有効活用しない手はありません。一歩ずつ、できることから取り入れてみてください」
【睡眠時間と肥満度の関係】
『クロワッサン』1037号より
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