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脳神経と薬学の専門家に聞いた、なかなか取れない「疲れ」の漢方薬選び。

情報過多の時代が生み出す不調に答えてくれる漢方薬選びの基準を、脳神経科学者で漢方薬剤師の井上和恵さんに聞きました。

イラストレーション・宇和島太郎 文・馬場さおり

脳神経と薬学の専門家に聞いた、なかなか取れない「疲れ」の漢方薬選び。

【疲れ】なかなか取れない疲れ、気力や体力の不足、続く倦怠感やだるさに。

<定番>疲れがたまって気力が出ないときの救世主的漢方薬。

睡眠不足やスポーツなどで肉体疲労が蓄積し、だるさや倦怠感を感じるときや、気力が落ちていたり食欲不振になっていたりするとき。胃腸の働きを整えながら、気力を高めてくれる『補中益気湯』がだるさや疲れ、体力と気力の問題をケアしてくれます。

元気チャージの代表的な処方である『補中益気湯』は、病気に対する抵抗力を高めるためにも使用されることが多く、医薬品の王という意味の『医王湯』と別名がつくほど。

そんな優秀な『補中益気湯』ですが、疲れが蓄積してしまうと休養や睡眠を取ったり、栄養を補給しても、回復に時間がかかることも。漢方薬頼りではなく、日々の生活習慣の改善もケアには大切な要素です。

<でも、こんな場合は>「スマホ疲れ時代は脳と神経の疲れをケアする漢方薬。」

脳神経と薬学の専門家に聞いた、なかなか取れない「疲れ」の漢方薬選び。

「いくら寝ても疲れが取れない」「十分に休養してもだるさが残る」こんな悩みを抱えている人は、仕事などで脳や神経を使いすぎていませんか? 交感神経が興奮している状態が長く続いてしまうと、体力的にも気力的にも疲れやすくなります。

そんな脳と神経を使い続けている疲労タイプにとって、気力を高めて元気にさせる作用がある『補中益気湯』は、交感神経をますます興奮させてのぼせや酒酔いのような症状を招いてしまう場合もある気をつけたい漢方薬。脳と神経からくる疲れには『加味逍遙散』がおすすめです。

ただし、普段脳と神経を酷使している人でも長引く病気で体力や気力が衰えてしまった場合は、脳を休めて休養しながら『補中益気湯』を活用してみましょう。

<疲れには>購入できる漢方薬

加味逍遙散料エキス錠/ クラシエ薬品

第2類医薬品 96錠 2,362円(税別)
第2類医薬品 96錠 2,362円(税別)

「血」の不足から「気」が余り、たまった「気」が熱に変わることで引き起こされる様々な症状に。交感神経が興奮したことによる神経症状に用いられ、自律神経を調整し、イライラやのぼせを鎮めて血行を促進します。

イスクラ補中丸T/イスクラ産業

第2類医薬品 450丸 4,200円(税別)
第2類医薬品 450丸 4,200円(税別)

体力や元気がなく、胃腸のはたらきが衰えていたり、疲れやすかったりするときに。疲労倦怠が続くときや、病後・術後の体力がなく回復ケアを行いたいとき、食欲不振、寝汗などの不調のケアに活用できる漢方薬です。

  • 井上和恵

    お話を伺ったのは

    井上和恵 さん (いのうえ・かずえ)

    脳神経科学者、漢方薬剤師

    「脳の研究」で国から科学研究費奨励金を受けストレスや痛みに関する研究を行う。漢方薬の薬理学的研究の後、独自の理論で、脳神経学的視点から漢方薬の処方をし、実績を上げる。

『Dr.クロワッサン 不調が消える、ふだん漢方』(2020年1月28日発行)より。

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