漢方は日本で独自に発展した医療で、漢字や漢文の由来と同じくその源をたどっていけば古代中国。5~6世紀頃、朝鮮半島経由で日本に伝来したと言われている。
「中国の伝統医学は中医学と呼ばれ、発祥はおよそ4000年も以前にさかのぼります。日本の漢方もこの中国医学が由来ですが、日本の気候や風土、日本人の体質などに合わせ応用させてきました。
江戸時代に西洋医学が伝来した時に西洋医学を『蘭方』、中国伝来の医学を『漢方』と呼ぶようになったんです。ですから中国には漢方という言いかたはなく、日本独自の名称なんですよ」
と、漢方の語源から説明してくれた薬学博士の陳志清さん。中医学と漢方とは考え方や診療、治療において異なる面はあるが、その大もとについて解説してもらった。