からだ

腸の調子をよくすることで自律神経も血流も改善する。

  • 文:韮澤恵理 撮影: 鈴木江実子 イラストレーション/秋葉あきこ(構造図)、ヤマグチ・カヨ

[ 腸内の菌のバランスをとる食材 ]

腸のコンディションを整えるのはさまざまな腸内細菌たち。
良い働きをする菌を増やすポイントとなる食材を積極的に摂りたい。

●動物性の発酵食品

ヨーグルトやチーズが代表。タンパク質が微生物によって発酵し、乳酸菌が増えた食材。菌の種類はさまざまで、それぞれが少しずつ違った働きをする。

チーズ

主に牛や羊の乳に種菌(たねきん)を加え、発酵させて固めたもの。加熱していないナチュラルチーズのほうが乳酸菌が多い。

ヨーグルト

牛乳に乳酸菌を加えて発酵させ、牛乳に含まれる糖分(乳糖)が分解してできる乳酸によってタンパク質が固またもの。含まれる菌は製品によって異なる。

●植物性の発酵食品

植物の発酵食品は、携わる菌によって多くの種類がある。特に腸内環境を整えるのは乳酸菌。野菜などを塩漬けにすると水分や糖分が出てきて、もともとついている乳酸菌が増える漬け物類に多い。

キムチ

野菜の塩漬けにアミなどの動物性発酵食品を加えて発酵させたもの。数日で乳酸菌が非常に増え、その後、酢酸に変わって酸味が出る。

漬け物

日本では各地に発酵漬けがある。長野の野沢菜漬け、京都のすぐき漬け、九州の高菜漬けなどが有名。麹やみそ、酒粕床の漬け物もいい。

ぬか漬け

ぬか漬けは乳酸菌や酵母菌がすみ着いたぬか床に野菜を漬けることで水分が抜け、旨味や乳酸菌、さらに各種ビタミンが吸収されている。

腸内細菌のエサになる食材

善玉菌を増やすには、発酵食品などを食べて菌を摂取する方法と、腸内細菌のエサになる食材を摂ることで菌を増やす方法がある。腸内細菌のエサになるのは食物繊維やオリゴ糖など。食物繊維は水溶性と不溶性があるが、どちらも有効。野菜や海藻、きのこなどに多い。オリゴ糖は大豆やバナナ、しいたけなどに多く含まれる。

[ 食物繊維 ]

もずく、わかめ

[ オリゴ糖 ]

大豆、しいたけ、バナナ
根来秀行

監修

根来秀行 さん (ねごろ・ひでゆき)

医師、医学博士。

東京大学大学院医学系研究科内科学専攻博士課程修了。ハーバード大学医学部客員教授、ソルボンヌ大学医学部客員教授、フランス国立保健医学研究機構客員教授、杏林大学医学部客員教授、事業構想大学院大学理事・教授。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など多岐にわたり、最先端の臨床・研究・医学教育の分野で国際的に活躍中。『毛細血管は増やすが勝ち!』(集英社)、『ホルモンを活かせば、一生老化しない』(PHP研究所)、『老けない、太らない、病気にならない 24時間の過ごし方』(幻冬舎)、『【図解】毛細血管が寿命をのばす』(青春出版社)など著書多数。

『Dr.クロワッサン 毛細血管を増やして、血流力をつける!」(2018年11月15日発行)より。

1 2
この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

SHARE

※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

人気記事ランキング

  • 最新
  • 週間
  • 月間