腸の調子をよくすることで自律神経も血流も改善する。
毛細血管の健康のためには、自律神経のバランスがきちんととれていることが大切ですが、実はそこに大きく関わるのが腸の状態なのです。腸が健康なら自律神経も活性化します。
文:韮澤恵理 撮影: 鈴木江実子 イラストレーション/秋葉あきこ(構造図)、ヤマグチ・カヨ
腸内環境を整えることが血管力の決め手になる
腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えることが健康の秘訣といわれていますが、その最も大きな効用は、実は自律神経の安定です。腸内細菌は善玉菌、悪玉菌、そのときに優位なほうに味方をする日和見菌の3種に分けられ2:1:7の割合がいいとされ、この状態をキープしていると、腸から脳に「調子がいい」という情報が伝わります。
すると脳は消化器を管理するための負担が減るので、血液を送り出したりほかの内臓をしっかり働かせる、緊張や弛緩(しかん)のバランスを保つといった本来の作業に専念でき、その結果全身のバランスを良い状態に保てます。
また、神経伝達物質のセロトニンは、実は95%以上が腸で生産されます。そのため、腸の健康は体内の情報伝達の状態も左右します。
[ 腸と自律神経のやりとり ]
腸の調子が脳に伝わり、自律神経の状況を左右し、
腸で作られるホルモンや神経伝達物質が脳へ運ばれる。
●情報
腸では栄養素や水分などが血液に吸収され、不要なものを排出し、有害物質が入ってきていないかを見張っている。この情報がストレートに脳に伝わるホットラインがある。
●セロトニンなど
神経伝達物質であるセロトニンは脳内で幸せホルモンとして働くため、脳だけで作られていると思われているが、実はほとんどが腸で作られている。体の中で情報伝達がうまくいく一因。
01 / 02
広告