からだ

健やかな血管のために。毎日決まった食事のリズムで体内時計を正常にする。

  • 文:韮澤恵理 撮影: 鈴木江実子 イラストレーション: ヤマグチ・カヨ

朝食が自律神経をリセット。腹時計はリズムの監視役

毛細血管が健康な体を作るために大切なのは、何を食べるかより、いつ食べるかということです。

目が覚めたら朝日を浴び、体が朝だということを自覚するといいと書いてきましたが、消化器はそれ以上にストレートに交感神経をオンにします。

おすすめなのは目が覚めたらまず1杯の水を飲むこと。これで胃が活動の準備を始めます。また、睡眠中には汗や呼吸で大量の水分を発散しているので、目覚めてすぐに水分を補給するのは大切なことです。

活動モードに入るためには、目覚めてから1時間以内に朝食を食べたい。時間がない人は、おにぎり一つ、ヨーグルトや野菜ジュースだけでもいいので、何か胃に入れること。タンパク質は睡眠ホルモンのメラトニンになるので特におすすめです。

遺伝子やホルモンが有効に働くように食べたい!

午前中は交感神経がどんどん優位になるので、活動するためのエネルギー補給をしていい時間帯。炭水化物も適量を摂るべき。さらにインスリンの力を借りずにエネルギーになる果糖を含むフルーツは酵素もたっぷり、体をアルカリ性にする梅干しもおすすめです。

ランチもしっかり食べるほうがいい。血糖は活動のエネルギーになるので、神経質にならずに適度に摂りましょう。

一日の食事は3食、間隔が5~6時間というのが理想。でも甘いものが食べたければ、糖分を脂肪に変える時計タンパク「ビーマル1(ワン)」が最も少ない3時頃に少量はOKです。

ただし、就寝2時間前までには夕食をすませましょう。残業などで無理な人は、夕方おにぎりやサンドイッチで主食を補い、夕食は野菜中心の軽めの食事にするといいですね。

毛細血管を増やす成長ホルモンは睡眠中や運動後に増えますが、空腹時にも増えます。寝る前に胃の中を空にすると、自律神経のバランスも整い、睡眠中に毛細血管が作られやすくなります。

根来秀行

監修

根来秀行 さん (ねごろ・ひでゆき)

医師、医学博士。

東京大学大学院医学系研究科内科学専攻博士課程修了。ハーバード大学医学部客員教授、ソルボンヌ大学医学部客員教授、フランス国立保健医学研究機構客員教授、杏林大学医学部客員教授、事業構想大学院大学理事・教授。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など多岐にわたり、最先端の臨床・研究・医学教育の分野で国際的に活躍中。『毛細血管は増やすが勝ち!』(集英社)、『ホルモンを活かせば、一生老化しない』(PHP研究所)、『老けない、太らない、病気にならない 24時間の過ごし方』(幻冬舎)、『【図解】毛細血管が寿命をのばす』(青春出版社)など著書多数。

『Dr.クロワッサン 毛細血管を増やして、血流力をつける!」(2018年11月15日発行)より。

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