血管を作る成長ホルモンは眠りの質で分泌量が変わる!
毎日深くて良質な眠りが得られれば、血管を作るのに必要な成長ホルモンが
しっかり分泌され、健康な毛細血管になります。
文:韮澤恵理 撮影: 鈴木江実子 イラストレーション: ヤマグチ・カヨ
[ 血管を作る成長ホルモンは深い眠りで ]
睡眠の深さは寝ついてすぐが最も深い。深い眠りのノンレム睡眠と、浅いレム睡眠と交互に訪れる。ノンレム睡眠中が血管再生のゴールデンタイム。
血管を作る成長ホルモンは時計遺伝子に支配されている
毛細血管は不規則な生活や睡眠の質でどんどん減ってしまうことがわかっています。反対に、自律神経のリズムを整え、血管にいい食生活を心がければ、再び増やすことができます。毛細血管を増やすために、一番大切なのは生活リズム。なかでも睡眠中に血管が新生するので、睡眠の質が重要です。
では血管にいい睡眠とはどんな睡眠かご存じですか? 上の図のように、寝ついてすぐに最も深い眠りが訪れます。このときに血管新生に重要な成長ホルモンの分泌量が増えます。ストンと眠ってしまう寝つきのいい人は血管が作られやすいわけです。
睡眠を誘うメラトニンというホルモンは、起床後15時間くらいから徐々に増え、その2時間後に最も多くなるので、この時間より前にベッドに入ることが大切です。眠りの質も睡眠ホルモンのメラトニンに左右されます。メラトニンはセロトニンというホルモンが変化したもので、セロトニンは朝日をしっかり浴び、昼間のリズム運動や腹式呼吸によって分泌量が増えます。
血管作りには多くのホルモンが関わり、その分泌量や時間を決めているのは脳にある時計遺伝子の中枢と、全身の細胞の時計遺伝子の連携です。私たちの体が健康を保つために、生活リズムが重要なのは、このためです。
ほかにも、明かりや寝具、温度、衣類など眠りに関わる環境や物を整えるなど、良い睡眠の工夫が血管の健康を支えます。次ページで紹介している良い眠りの条件のほか、家族との生活時間の差、室内外の音や光にも対策を。家族の就寝時間が著しく異なるなら寝室を別にする、街灯などで屋外が明るいなら遮光カーテンを利用するなど、眠る環境を見直してみましょう。
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