からだ

すぐできる「インスタント瞑想」で脳をリフレッシュ。今すぐマインドフルネスを行うためのQ&A。

よく耳にする単語ではあるけれど、その具体的な方法は? 思ったときにすぐできる”インスタント瞑想”で脳をリフレッシュ!
  • 撮影・青木和義 イラストレーション・鈴木衣津子 文・黒田 創

一時的に情報を記憶したり、同時に複数のことを処理するには、脳内の作業記憶、すなわちワーキングメモリの働きが大きく関係する。しかし脳が疲弊するとワーキングメモリの機能は低下し、それらをこなせなくなってしまう。

「脳が疲れるのは、時間や効率に追われて常に先のことを案じたり、過去の記憶に囚われるなどして意識の中に余計な“ゴミ”が溜まってしまい、その瞬間瞬間で発揮できる脳のポテンシャルが落ちてしまっているから。特に現代は“今打ち込めること”の意味が以前よりも薄れつつあり、未来や過去のことばかりに脳を支配される傾向が強くなっていると思われます」

そう話すのはヨーガ指導者の綿本彰さん。その“意識の中のゴミ”を掃除し、今この瞬間、目の前のことに意識を向けられるようになれば脳は本来のポテンシャルを取り戻せるのだそう。

「その一番の方法がマインドフルネス。たとえば、今、あなたはこの記事を読みながらどんな呼吸をしていますか? と問われたときに呼吸を意識することで、自分の身体や心の中に耳を傾けられるようになる。その感覚が肝となります。これを20〜30分続けると瞑想になりますが、いきなりは難しいので、まずは10秒、5秒、たった1秒でも構いません。ありのままの呼吸を感じ、一瞬だけ我に返ると“意識のゴミ”はプチ掃除され、脳はリセットされます」

マインドフルネスはすぐに行えるが、いくつかポイントがある。Q&Aにまとめたのでまずは押さえておきたい。

Q.誰か先生に習わないと できないのではないでしょうか?

「短時間のマインドフルネスには特殊な技術は必要なく、独学で行えます。今の自分の気分に気づき、一瞬でも脳を休めるためのものなので、難しく考えなくても大丈夫です。一つだけアドバイスするなら、マインドフルネスを始めるきっかけ作りを自分でするとさらによいでしょう」(綿本さん)

イライラ、鬱々としたときこそがマインドフルネスの絶好のタイミング。でもそんなときに落ち着いて我に返ろうとはなかなか思えない。そこでこんな方法を。

「携帯電話をバイブ設定にしてアラームを1時間おきに鳴らすんです。どんなにカリカリしていても、〝アラーム=マインドフルネス〟と意識下に置くことで自然と我に返るスイッチが入る。そこで数秒間マインドフルネスを行うのです。どんなに忙しくても、これなら自動的にきっかけがやってくる、というアイデアです」

Q.マインドフルネスができている、できていない、は自分でどう判断すればいいのですか?

「まず、できている、できていないという発想を捨ててください。そう考えてしまうと、できていることが〝目的〟となり、即ち未来に意識を向けることになってしまうのです。マインドフルネスは結果よりも、今というプロセスが大事。ただその瞬間の自分に意識を向ける状態になっていれば、それでいいのです。マインドフルネスに成功も失敗も存在しません」

言ってみれば人生の99%はプロセスそのものであり、その瞬間を楽しむことは目的や結果以上に大切にするべきこと。マインドフルネスもそれと同じスタンスでやってみよう。「今」の呼吸を感じることで自分を見つめ直す時間を短時間でも持てれば、それでOK。それが結果的に、疲れた脳をリセットすることにつながる。

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