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歌手名や曲名を当てる!?『うたドン!』│山口恵以子「アプリ蟻地獄」

  • イラストレーション・勝田 文

あらゆる年代の人が楽しめる音楽ゲームアプリ。懐メロ歌謡曲から現在のヒット曲、アニメソングなど幅広いジャンルを擁し、イントロを聴いて歌手名、あるいは曲名を当てる。

『うたドン!』。早押しで曲当てや歌手当てが楽しめるゲームアプリ。対戦形式や複数でも遊べる。無料。レゲーム』。中核認知能力を試す30種類以上のゲームで脳トレを気軽に楽しめるアプリ。無料。

昔の人気番組「クイズ・ドレミファドン!」を複雑にした感じ。

試しに「懐メロ歌謡曲」で「七十年代女性アイドル・曲名当て」を選んだら、当たること当たること。ほんの二、三秒でタイトルが分った。

四択形式なので易しいことも確かだが、それ以上に曲に聞き覚えがあって、歌手もハッキリ覚えている。

思えば七十年代は中学高校大学と、私は思春期真っ只中だった。あの頃はいつも、テレビやラジオから「ヒット曲」が流れてきた。

ちなみに八十年代もグループサウンズもフォークもニューミュージックも全問正解だった。私、すごい!

それが九十年代以降は正答率がガタ落ちになる。二千年以降は全滅に近い。なんてこった!

実は以前、某誌の企画で昭和歌謡曲のタイトルで短編小説を書いたことがある。参考に見せてもらった年間ベストテンには大体見覚えがあった。しかし平成以降は、聞いたことのないミリオンセラーで一杯だ。

これはテレビの「歌番組」が減ったことが大きい。もう一つは歌詞もメロディーも複雑になりすぎて、誰もが口ずさめる曲が少なくなったからだと思う。DREAMS COME TRUEの曲なんて、あなた、歌えますか?

今の時代、老若男女みんなが知っている「みんなの歌」は、もう生まれないのかも知れない。

山口恵以子(やまぐち・えいこ)●作家。最愛の母と過ごした最期の日々を綴ったエッセイ『いつでも母と』(小学館)。

『クロワッサン』1029号より

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