好みの炊きあがりや用途に応じて選びたい、炊飯道具9選。
日本の食卓に欠かせない、ほかほかのごはんのおいしさを極めるための道具を、8人の目利きに教えてもらいました。
撮影・青木和義 文・嶌 陽子
│ 信楽(しがらき) 雲井窯(くもいがま) │ 御飯鍋 黒楽(くろらく)
短時間で炊き上がり、 冷めてからも旨みが きちんと残る。
「約20年前、当時通っていた飛田和緒さんの料理教室で紹介され購入。上質な釉薬のおかげで、米のこびりつきがほとんどありません。炊き上がりのお米は毎回キラキラしていて、旨みが感じられます」(原田ひ香さん)。受注生産品。
│ 山の工房村 │ 飯炊釜
一粒ずつがしっかりした硬めのごはんが好みの人向き。
丸みのある本体が対流を生み出し、付属の内蓋によって加圧することで、ごはんがふっくらと炊ける。「火加減をする必要がなく、お米がくっつかず、丈夫。一粒一粒がしっかりしている、硬めのごはんが炊けます」(土切敬子さん)
│ 釜定(かまさだ) │ 羽釜(はがま) │ AJI PROJECT │ POUND
さっぱりと炊き上げるモダンな南部鉄器。
漬物石などにも使える重石を使って蓋が動くのを防ぐ。
南部鉄器を代表する工房「釜定」の羽釜はシンプルな形が印象的。「炊き上がりはさっぱりとした食感。意外と蓋が動くので、上に重石を載せています」(福田春美さん)。使っているのは香川県の庵治石(あじいし)で作るプロダクトシリーズ「AJI PROJECT」の重石。約2kgあるので、しっかりと蓋を押さえられる。
│ ウルシヤマ金属工業 │ 謹製釜炊き三昧
ツヤも香りもよく、甘みを感じられるごはんが炊ける。
家庭用コンロ対応の羽釜。「重い蓋が圧力をかける仕組み。炊き上がりは米が一粒ずつ立ち、味も甘みがあっておいしい。すぐに炊けるのもいい」(坂井より子さん)。「炊き上がりの香りとツヤが違う」と、しらいのりこさんも愛用。