歯並びや噛み合わせが悪いと、噛む力も弱くなるもの。その状態が何年も続けば顎や顔の筋肉のバランスが崩れ、口の動きが不適切になり、唾液の分泌にも悪影響が及ぶという、負の連鎖が起こる。
「歯並びの悪さは見た目の問題以上に、口から始まるさまざまなトラブルの発端に。大人の矯正は、この先の健康やQOL維持のためにも必須です」(坂本さん)
矯正をする際、さまざまな選択肢があるのは審美目的と同様。ワイヤーを使うか、使わないなら取り外し可能なマウスピースタイプを選ぶ。使う場合は表に装置するか、裏にするか。ブラケットやワイヤーは銀色のものか、目立たないタイプかを選択できる。
「効果が出やすくきれいに仕上がるのは、外側にワイヤーをするパターン。でも、矯正装置は進化していますし、裏側にワイヤーをする場合でも、技術次第で充分効果が得られることも」(坂本さん)
歯並びの悪さは上顎の未発達が原因で、健康に悪影響を与える口呼吸をもたらしていると考えた小原澤さん。そこで、狭い顎を広げる矯正(拡大床)を提案している。
「顎を広げると、口腔内で舌の筋肉を正しく使えるようになります。その結果、歯並びは整い、いびきや歯ぎしり、食いしばりが軽減するなど、さまざまなメリットが期待できます」(小原澤さん)
まずは歯科医としっかり相談し、最適な矯正方法を探そう。