からだ

最新の虫歯治療で、自分の症状に合った対応を。

歯、歯ぐき、歯並びなどに起こる問題症状は、早めに改善するのが得策。最新の知見などを元に、歯科医の小原澤友伸さんがわかりやすくポイントを解説。
  • イラストレーション・かざまりさ 文・板倉みきこ

細菌が酸を作り、歯を侵食する虫歯。症状が進むと回復不能な損傷が生じるので、自分の歯を維持するには初期の処置が大事。

「最新の治療方法は過去の治療のマイナス面をなくすよう進化したもの。健康な歯を必要以上に削り取らない、虫歯菌が増殖しないよう除菌をしてから詰め物をする、虫歯菌の餌になる接着剤を使わないなど、多々あります。治療方法を選ぶ際は虫歯の進行度だけでなく、その後、歯をどう維持していきたいかも鑑み、歯科医としっかり相談して納得のいく方法を選んでください」(小原澤さん)

〈 注目の治療法 〉

●PMTC
すでに歯に定着して、歯磨きでは落とすことができなくなった汚れや、虫歯の原因・歯垢の元となるバイオフィルムを医療機器を使って完全に取り去る。その後、歯垢の再付着を防ぎ、歯の質を強くするためのフッ素を塗布。虫歯、歯周病の予防管理が目的。

●カリソルブ
基本的に歯の神経まで達していないC1、C2レベルに適応。薬液を虫歯に塗布して柔らかくし、専用の器具で虫歯部分だけを除去。その後、詰め物をする。ドリルを使わず、医師の手で削るため、振動がなく治療に伴う痛みが軽減。歯を削る量を最小限に抑えられる。

●ドックベストセメント
虫歯を削り取らない方法。虫歯に感染した部分を露出させ、虫歯菌を破裂させて溶かす効果がある薬を使い洗浄、殺菌。その後、専用の薬液を塗り、該当箇所を硬化させ封鎖する。従来、神経を取り除かなければならなかったC3レベルでも対応可能な場合も。

硬いエナメル質にできた“う蝕”はゆっくり進行(C1)。軟らかい象牙質に達する(C2)と進行のスピードがアップ。神経と血管が通る最深部に向かって急速に広がる(C3、C4)。

小原澤友伸(こはらざわ・とものぶ)さん
歯科医。銀座6丁目のぶデジタル歯科院長。米国口腔インプラント学会、顎咬合学会専門医。http://www.nobudental.net

『クロワッサン』1016号より

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