口は、口唇や歯、歯ぐき、口蓋、粘膜、咽頭、唾液腺などで構成されるが、唾液の量を増やすために坂本さんが舌(ベロ)に着目したのはなぜか。
「自分の意思で動かすことのできる、巨大な筋肉のかたまりだからです。全身の筋肉同様、使わなければ衰え、機能も低下します。でも、ちゃんと鍛えれば効果が確実に上がるのも筋肉の良い点です。実際にベロを動かすと、口の中にある複数の唾液腺が刺激され、たくさんの唾液を出すことができます」
坂本さんが考案した「ベロ回しエクササイズ」はわずか1分で終了。
「1日3回、食後のベロ回しを習慣化すれば、ベロは本来の機能を取り戻し、唾液のスムーズな分泌が促されます」
以下のエクササイズを行ってみると、舌が歯ぐきの奥まで届かなかったり、左右で感覚が違うかもしれない。
「届かないなら筋力が低下している証拠。左右差は噛みグセがもたらしているので、やりづらいほうをより意識して鍛えるようにしてください。続けていくうちに筋肉が鍛えられ、スムーズにできるように。ベロ回しを習慣にすれば、唾液の量が増えるだけでなく、咀嚼や嚥下、呼吸、姿勢、発音など口に関するすべての機能が改善されます」
口腔内の浄化力アップが見込める唾液量を増やしながら、質を高める生活習慣も取り入れれば鬼に金棒。