からだ

歯周病や生活習慣病まで予防。実はすごい、唾液のチカラ。

30代以上の8割が歯周病といわれる今。全身疾患にも深く影響を及ぼす歯周病菌から身を守るには、驚くチカラを持つ唾液に頼るべき。
  • イラストレーション・大庫真理 文・板倉みきこ

殺菌、抗菌力に長けた天然の万能薬、唾液の効能を知る。

口腔ケア後進国の日本ではあらゆる疾患に関わる歯周病対策が急務、と知識の普及に努めている矯正歯科治療専門医の坂本紗有見さん。誰でもできる効果的なケアとして提唱しているのが、常に唾液で口腔内を潤しておくこと。

「口はすべての消化器への入り口です。そのため、唾液には歯周病菌を含むあらゆるばい菌と闘う、強い殺菌力があります。免疫力の強い身体は、唾液で決まるといっても過言ではありません」

さらに、唾液は消化を促し、咀嚼や嚥下を助け、口腔内を中性に保って歯の表面を守る役割も担っている。最近ではストレス軽減の作用もあるとされる、天然の万能薬のような存在なのだ。健康な成人の場合、1日で平均約1.5リットルの唾液が分泌されるが、加齢やストレス、また何らかの疾病が原因となり、唾液の分泌量は減少してしまう。

「唾液があまり出ないという人に共通するのは、舌を適切に使うことが苦手な点。唾液は口の中にある複数の唾液腺から分泌されますが、ちゃんと舌が動かないと唾液腺が刺激されず、唾液が出づらくなるのです。最近は食生活の変化に伴い、硬いものを噛む機会が少なくなっています。また、食事の回数や量が減れば咀嚼の回数も減るので、さらに唾液の量が減少します」

そこで坂本さんが考案したのが、舌を鍛えて唾液の量を増やす「べろ回しエクササイズ」。同時に、質にも注目。

「腸と同じように、口腔内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌が存在し、細菌叢(そう)を作っています。悪玉菌が優勢になってしまうと、唾液の質も低下するのです」

その原因として考えられるのは、生活習慣の乱れ、偏食や栄養不足、ストレス過多、運動不足など様々。「でも、日々の心がけ次第で、量だけでなく質も改善することができます」

まずは次ページで自分の唾液の現状を知り、量と質の改善法を実践しよう。

〈唾液のメカニズム〉

代表的な唾液腺は耳の下あたりにある「耳下腺(じかせん)」、舌の根元にある「舌下腺(ぜっかせん)」、あごの深部にある「顎下腺(がっかせん)」の3つ。耳下腺からは浄化や免疫作用のあるサラサラの唾液が、舌下腺からは細菌を撃退させるネバネバした唾液が、顎下腺からは両方の唾液が分泌される。

〈唾液の働き〉

■ 自浄作用
■ 歯の再石灰化作用
■ 咀嚼の補助
■ 免疫作用
■ 抗菌作用
■ 消化作用
■ 歯の保護作用
■ pHバランスの調整作用
■ 活性酸素を撃退
■ ストレス・不安感の軽減

唾液の様々な働きは、口腔内の健康だけでなく、全身の健康や長寿に関わっていることがわかる。

1 2
この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

SHARE

※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は本体のみ(税抜き)の価格です。税込表記の商品は、配信日が2019年9月30日以前の記事は消費税8%、2019年10月1日以降に配信の記事は10%(軽減税率適用のものは8%)が含まれています。