口もとの清潔感をどうキープする? 歯科医に聞くQ&A。
撮影・青木和義 イラストレーション・星野ちいこ
Q.毎日3回歯磨きをしていればツルツルの歯でいられますよね?
A.「毎日歯磨きをしていても歯石は溜まってしまうので、定期的な通院とクリーニングが必須。金属の超音波スケーラーによる除去が一般的です。私は重曹パウダーと水を合わせて高圧の空気で吹き付けるエアフローを使用。痛みはなく、むしろ気持ちがいいと好評です」(石井さん)。ほかに、仕上げに歯石がつきにくいように歯の表面を研磨し、フッ素でコーティングしてくれる治療も。1時間程度かかり、値段は3,000円〜2万円と保険適用か否かで変動。
Q.歯の表面がザラザラしている のですが、汚れを落とせていないのでしょうか?
A.歯の表面に傷がついていたり、歯垢が堆積していると考えられる。歯が汚れていると気にしていては、自信を持って振る舞えない。とはいえ、大粒の研磨剤が配合された歯磨き剤で強く磨きすぎると、歯の表面に傷がつく。低研磨の歯磨き剤でやさしく磨くことが大切だ。また、ダラダラと食べ続けていると、歯垢が溜まって汚なく見える。「間食が多いと歯を守るエナメル質も溶けてしまいます。通常口の中は中性ですが、酸性に傾いてしまうからです。こまめに水を含んで中和してみて」
Q.唇にうっすらとシミのようなものができています。
A.「荒れた唇の皮を気にして剥き続けると、シミになることがあります。逆に、よかれと思って日に何度もリップクリームを塗っていると、唇本来の再生力が失われてしまい、かえって唇の荒れを引き起こすことも。リップクリームは1日3回を目安にしましょう。選ぶなら、ワセリンが主成分のリップなど、良質でシンプルなものがいいですね。ちなみにスースーすることと、保湿効果に関係はありませんよ」。メンソールが入っているリップは気分転換にはなるが、乾燥しやすいので注意が必要だ。
Q.歯茎が後退して、歯と歯の間に隙間があります。
A.「歯周炎の症状です。早めに歯科医院で診断を。腫れた歯肉から膿が出ると、不健康なだけでなく、さらに不潔な印象になります。歯茎は粘膜なのでとても繊細。不用意に指で触ることは避けましょう」。予防のためには、舌を食後に軽くひと回しして歯茎を掃除する習慣を。歯の着色を防ぐことにもなる。
石井さとこ(いしい・さとこ)さん●歯科医師、口もと美容スペシャリスト。「ホワイトホワイト」院長。2012年までミス・ユニバースの歯をプロデュース。最新刊は『美しい口もと』。
『クロワッサン』1016号より
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