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医師に教わる、閉経の前と後の上手な痩せ方。

実は閉経の前と後とで違うダイエットのセオリー。改めて女性ホルモンのことを学び、効率的な身体作りを。

イラストレーション・木下綾乃 文・石飛カノ

更年期を迎える前に、効率的に骨と筋肉を養おう。

良質なタンパク質を摂り、骨を丈夫にする食事を。

ダイエットでほとんどの人が最初に着手するのが、食事の量を減らすこと。ここで頭に入れておきたいのは、必要な栄養素を確保しながら食事量をコントロールすることだ。

「近年のダイエットの主流は、単に脂肪を減らすのではなく、筋肉や骨をきちんと維持しながら身体を引き締めるというもの。2つの条件を満たしていることが肥満の健康的な解消法になります」

基本は、肉、魚などの良質なタンパク質を摂って筋肉の合成と骨の形成に役立てる。さらに、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなどのビタミン、ミネラルも確保したい。

「骨の材料になるカルシウムは乳製品、腸でのカルシウムの吸収を促すビタミンDはサケやサバなどの魚、骨の形成を助けるビタミンKは納豆や緑黄色野菜に豊富に含まれています。こうした食品を積極的に摂って上手に食事コントロールをしましょう」

骨の量の指標である骨密度は成人になるころピークに達し、40代後半以降から減っていく。骨の健康を保つ食事を組み立てて、下降カーブを緩やかに。

骨を作る乳製品、魚、豆、緑黄色野菜などの食材を一日の食事の中に必ず取り入れる。
骨を作る乳製品、魚、豆、緑黄色野菜などの食材を一日の食事の中に必ず取り入れる。

筋肉を作る運動をコツコツ続ける。

ダイエットは食事と運動の二本立てで行うのが最も効率的。というのは、食事を減らすダイエットでは確かに体重は落ちるものの、脂肪だけでなく筋肉も落ちてしまうから。

基礎代謝の約2割を占めているのが筋肉。その筋肉が落ちれば、基礎代謝が低下して太りやすい身体になり、元の食事に戻したときにリバウンドする原因に。

「理想としては、30分から60分の運動を週に2回行うことが望ましい、というのが健康的な身体づくりのガイドライン。おすすめは早歩きやサイクリング、水泳などの有酸素運動です」

今後、更年期、閉経を迎えるとダイエットが停滞しがちになる可能性は大。ちょっと食事を減らしただけで簡単に体重を落とせると思ったら大間違い。将来の自分への投資として、今のうちに運動を上手に取り入れたいもの。

「月経があるうちにホルモン周期を利用して、体重の増加を防いでおくことが大事です。食事と運動で必要な筋肉を作り、丈夫な骨を保ちながらダイエットに取り組みましょう」

30〜60分の有酸素運動を週に2回。卵胞期はとくに積極的に行って身体づくりを。
30〜60分の有酸素運動を週に2回。卵胞期はとくに積極的に行って身体づくりを。

千代倉由子(ちよくら・ゆうこ)さん●産婦人科専門医、母体保護法指定医。東邦大学大学院産婦人科学科を卒業後、関連病院を経て実家の「池ノ上産婦人科」院長に。幅広い女性の悩みに対応、肥満外来ではダイエットの相談にものる。

『クロワッサン』1013号より

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