冬の全身かゆみの原因、洗いすぎ・保湿しすぎかも!?
撮影・黒川ひろみ イラストレーション・ノグチユミコ 文・鈴木智子
[かゆみの原因 1]日々の3つの“ぱなし”が、 かゆみを引き起こす原因に。
肌に悪影響を与えてかゆみを助長するのが、3つの“ぱなし”行動だという。
「まず、汗や皮脂、ほこり、化粧品などがついたままの“汚れっぱなし”。次に“濡れっぱなし”。濡れたままだと角層が乱れ、乾燥や炎症につながります。それからウールのセーターやマフラー、服のタグなどが皮膚に当たり続けるこすれっぱなし”。これは皮膚を傷める最大の原因です」
意外にも冬こそ注意が必要なのが“濡れっぱなし”。
「最近は暖房が効いている場所が多く、冬でもそれほど寒いと感じることはないはず。それなのに防寒にと化繊の発熱肌着を着ていませんか? 化繊は吸湿性が低く、熱がこもって汗かきっぱなし状態が続く。その結果、濡れっぱなしになりかゆみにつながるのです」
また、空気が乾燥する冬は静電気による刺激も多く、マイナスの電気を帯びるアクリルやポリエステルなどの化繊とプラスの電気を帯びるウールの重ね着は静電気が発生しやすく、これもかゆみの元なのだという。
「冬に着用するタイツやストッキングなども化繊である上に、肌に密着するため摩擦や締め付けが原因となって、かゆみを引き起こすことになります」
[かゆみの原因 2]肌にいいと思った習慣が かゆみを呼んでいる!?
普段から何げなく行っている習慣が、かゆみの引き金になっている場合も。
「まず多いのが、洗いすぎです。清潔志向やさっぱりしたい気持ちから何度も体を洗っていると、洗浄剤によって肌がアルカリ性に傾き、皮脂や細胞間脂質、天然保湿因子などの潤い成分を必要以上に流してしまうことになります。また、冬は体を温めようと熱めのお湯に長く浸かることがあると思いますが、それにより角層がふやけて隙間ができ、洗いすぎと同様に潤い成分が溶け出して肌が乾燥状態に陥ってしまうのです」
肌は摩擦に弱いためゴシゴシとこするのも傷めることになりNG。濡れてふやけた状態だとよりダメージは大きく、バリア機能が壊されてしまう。また、よかれと思ってしている保湿も、しすぎると逆効果になるという。
「クリームをたっぷりとつけてしまうと、皮膚の表面がずっとベトベトした状態を作ることになる。これは濡れているのと同じで、バリア機能を弱めることになるのです。また、たっぷりの油分でふたをすると熱がこもって余計かゆみを感じることもあります」
入浴や肌のケアは毎日行うことだけに、間違った習慣の積み重ねは悪化を招くことにもなる。
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