からだ

感染症の専門家に聞く、インフルエンザの基礎知識。

  • イラストレーション・木下綾乃 文・黒澤 彩

心あたりはある?リスクが高いのは、こんな場合。

インフルエンザに罹りやすい人と罹りにくい人がいるわけではありません。そのウイルスに対する免疫を持っていなければ、誰でも罹るものです」と、今村さん。子どもや高齢者が罹りやすいというイメージがあるような?

「それは正確にいうと、罹りやすいのではなく重症化しやすい人。同じウイルスに感染しても、症状が重くなる人もいれば、自分でも気づかないくらい軽い人もいるのです」

子ども、高齢者、喘息などの呼吸器疾患や心疾患などがある人は、感染後に重症化するリスクが高め。ストレスや疲労による体力低下がどのくらい影響するのかは明らかになっていないが、たとえば、その年すでにインフルエンザに罹って体力が落ちていたときに別の型に感染すれば、再び症状が出やすくなる可能性はある。

罹りやすさに関係があるのは、環境因子。人から人へ飛沫感染するというインフルエンザの特徴を考えれば、流行時期に子どもたちが密着して遊んだりしているのは、たしかに“罹りやすい環境”といえるだろう。

インフルエンザは飛沫感染ですから、流行が始まると、感染した人のくしゃみ、鼻や口を触った手などを介してウイルスがあちこちに付着している状態に。多くの人が罹りやすい環境にさらされているということです

感染した人がくしゃみをしたときにウイルスが飛ぶ距離は2mほどなので、すぐ近くでなければ、同じ空間にいても感染しない。ただ、感染者が鼻や口を触った手でどこかを触り、後でその場所を触ったほかの人が鼻や口に手をやることでもうつってしまうので注意。

『クロワッサン』1008号より

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