高橋ひとみさんも悩んでいた。「免疫力」の正体と、その上げ方。
撮影・岩本慶三 スタイリング・おおさわ千春 ヘア&メイク・木村真弓 文・石飛カノ
3つの体質のバランスで陥りやすい不調が分かる。
蓮村 ちょっと脈を診せていただいていいですか。(10秒程度脈を診て)ハイ、終わりです。とても穏やかできれいな脈をされています。基本的には健康ですね。アーユルヴェーダに基づいた体質には3つのものがあります。ひとつは冷たい風のように変化する「風」の体質。2つ目は、燃えるように熱い「火」の体質。最後に重くて安定した「水」の体質。どんな人も3つの体質を持っているんですが、バランスが異なります。高橋さんの場合は「風」と「水」の体質が強く、「火」が弱い。体が冷えやすく、冷たいものをとると、実際むくみやすいのでは?
高橋 むくみます、むくみます。
蓮村 アレルギーにも要注意です。
高橋 あっ、花粉症がひどいんです。花粉症という名前が世に出る前からもうずっと。100%スギ花粉で、2月から4月いっぱいは鼻のまわりがカピカピに。とにかくアレルギーの症状がひどくて、春が全然楽しくないんです。
蓮村 花粉症もさっきおっしゃっていたぜんそくのような咳も、「水」のねばねばした性質に傾きすぎるとそうなります。水の性質の乱れが出ると気道の粘膜が弱って咳が止まらなくなるんです。冷たい飲み物を飲まないことを基本に、食事にも気をつけてください。乳製品や小麦、砂糖がたくさん入ったものは食べ過ぎないように。この冬こうしたものを避ければ、来年の春はすごく楽になると思います。
高橋 甘いものはあまり食べないし、ごはんなどの糖質も今、夜は食べないようにしています。でも小麦もダメなんですね。パスタが好きなんですけど。
蓮村 今はグルテンフリーのパスタも手軽に手に入りますよ。
高橋 グルテンフリーを取り入れている女優さんてカッコいい!と思ってました。やってみます!
食事だけでなく、運動と睡眠も免疫力をアップさせる条件。
蓮村 運動はされますか?
高橋 朝と夜、38kgの大型犬と1時間くらい散歩しています。
蓮村 それはいいですね。適度な運動は代謝を上げて火の性質を維持します。その結果、免疫力が上がるんですよ。ただし、夜に体力を使う運動をするとかえって疲れて免疫力が下がるので注意してください。
高橋 毎朝の散歩くらいがちょうどいいんですね。犬がいてくれてよかった!
蓮村 あと、今、腰のあたりで「水」の性質の乱れが見られます。腰痛に気をつけてくださいね。
高橋 ちょっと前、正座すると足の甲がピリピリ痛かったんです。もしかして腰からきてるのかなと思ってました。
蓮村 脚はつったりしませんか?
高橋 ものすごくつります! 冬は毎日のように脚に激痛が走って、必死でお風呂まで行ってお湯につけてます。
蓮村 それは「風」の性質の乱れが末端にきているせい。寝る前に白胡麻油を脚に塗ると一発で治ります。
高橋 白胡麻油、ですか?
蓮村 ええ。白い胡麻油は軽くて神経を整える働きが強いんです。鍋で100度くらいまで熱して冷めたら瓶に戻して使います。睡眠にも効果的です。ちょっとだけおでこに塗って寝ると、眠りが深くなりますよ。
高橋 ええ〜? 白胡麻油って、お料理に使うだけじゃなかったんですね。私、脚がつるのも悩みなんですけど、寝つきがすごくいいのに、いい眠りかどうかというと自信がないんです。たくさん寝て起きてもドヨーンと疲れていることが多いので。
蓮村 火の力が弱い人は眠りがちょっと浅くなりやすいんです。良質の睡眠は免疫力の底上げにつながるので、本当は早寝ができるといいんですけどね。
高橋 すごく早く寝るんですよ。9時とか、もう子ども並みに(笑)。それなのに起きたらドヨーン。気持ちよく起きたという日は、もう遙か昔のような気がします。
蓮村 それは体質ですね。朝どんよりしているのは重い「水」の体質の特徴です。そういうときには体操をしたり散歩をしたりして目を覚ませばいいんです。夜の食事が遅かったり冷たいものを飲んだりすると、翌日、体が重くなってしまうので夜は軽めにすませましょう。
高橋 分かりました。
蓮村 ちなみに、白胡麻油は塗るだけでなく、うがいもおすすめです。
高橋 えっ、うがい!?
蓮村 大きいスプーンに白胡麻油を入れて4〜5分ガラガラうがいをし、その後10分くらい口の中に留めて吐き出すと、喉が楽になって風邪もひかないし、口内炎や虫歯の予防になります。
高橋 本当ですか? さっそく買って帰らなくちゃ! 先生のおっしゃる方法はすごくシンプルですぐ実践できそう。この冬は風邪もひかず、脚もつらず、来年の春、花粉症が楽になっていたらすごくうれしいです!
長年、花粉症で悩んでいましたが来年は春を楽しめそうです!(高橋さん)
冷たいものを避けるのが基本。そして、体質に合った食事を。(蓮村さん)