からだ

[便秘]放置すると寿命を縮める便秘の解決は、お尻の感覚を取り戻すことから。

疲れやすい、うつっぽい、頭痛、動悸、手指の痛み……。日常のその不調、もう年だからとあきらめていませんか? 対処法をお伝えします。
  • 文・石飛カノ イラストレーション・田中麻里子

人に相談しにくいカラダの不調も、諦める前に相談を。

女性特有の排泄トラブルの筆頭といえば、便秘。たかが便秘と思いきや、「今、海外で便秘症は“死ぬ病気”と考えられています。そうでない人に比べて明らかに寿命が短いからです」

と、中島淳さん。便秘の人がトイレでいきむことで血圧が高くなったり不整脈が起こったり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが増す報告もあるという。

便秘症の有無による生存率の比較。

追跡調査で便秘症ありの人の生存率は、なしの人に比べて明らかに低いことがわかった。確かに便秘で寿命は縮むのだ。Chang JY,et al.Am J Gastroenterol 調査対象:20歳以上の米国人3933例 調査方法:消化器症状評価アンケートを用い生存状況を15年間追跡調査

排便困難症状が進むことで、やがて便意を失うことも。

そもそも女性に便秘が多く見られるのは、女性ホルモンが大腸の働きを抑制しているから。なので、女性ホルモンの分泌が低下する更年期以降は便秘が減ると思われがちだが、逆に増えるのだそう。加齢によって大腸の機能が低下するというのがひとつ。加えて40代以降の女性はトイレを我慢する傾向があり、それが便秘の大きな原因に。

「朝の忙しい時間に朝ごはんも食べず、トイレも我慢して家を出る。肛門近くにバナナ1本分の便があったとして、それを1日溜めておくと腸の粘膜が水を吸って便が硬くなり、3日もするとウサギの糞のようになります」

便が腸に長時間留まると、排出されにくくなる。トイレに行ってもすっきりしない残便感の原因。

人間の肛門はバナナ状の便を最も出しやすく直径が小さいものは出しにくい。このため、硬く小さな便を出そうといきんでもすべて出すことができず、残便感が生じ、何度もトイレに行きたくなる。これが便秘のひとつの症状にして訴えが最も多い排便困難症状。

「また、排便を我慢しているうちに、だんだん便意そのものを感じなくなっていきます。人間の体は丈夫で対応力が高いので、トイレに行かなくても平気になっていくんです。結果的に便秘と一生おつきあいすることになる可能性が高くなります。そうなる前に、まずは生活習慣の改善を」

食物繊維や発酵食品を摂ったり、適度な運動をすることも大事だが、その前にまずやるべきことは排便を促す生活のリズム作り。

「睡眠をしっかりとって自律神経のバランスを整える。便の材料となる食事を1日3回摂る。朝ごはんを食べた後にトイレに行き、排便する習慣をつける。ちなみに、排便の理想的なポーズは35度の前屈み姿勢です」

残念ながら更年期以降、便秘の症状は徐々に進んでいく。朝の排便という基本的な習慣を身につけることが、基本にして最大の便秘改善対策だ。

排便を促す考える人ポーズ。

35度の前傾角度をとると、体内では「く」の字になっている直腸がほぼまっすぐになり、排便しやすくなる。足が浮く場合は、両足を台などに乗せて。

朝食で排便リズムを作る。

1日3回の食事は便の材料を作るもとであり、食物繊維を摂るチャンスになる。とくに朝ごはんは排便の大事なきっかけになるので、抜くべからず。

中島 淳(かじま・あつし)さん●横浜市立大学大学院 医学研究科 肝胆膵消化器病学教室 主任教授・診療科部長。大阪大学医学部卒業後、ハーバード大学医学部客員准教授などを経て、2014年現職に。消化器内科、肝臓病の専門家。

『クロワッサン』1006号より

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