「最近すぐに疲れる」「うつっぽくなる」「手指の痛み、しびれを感じる」「眠りが浅くなった」「急にめまいや耳鳴りがする」「動悸がして怖い」こんな不調を感じたことありませんか? 下のグラフにあるように、40代、50代の更年期世代は、さまざまな心と体の不調を感じる時期。これまで感じたことのない不調が急に現れ、消えていき、そして違う症状が現れ、それが消えるとまた違う不調が現れる……。どうしてこんなに不調が起こるのだろう、と心配になる人が少なくありません。
たとえば、これまでにない頭痛を感じ脳神経外科に行く、手足の関節が急に痛くなり整形外科へ、あるいは関節リウマチや膠原病を疑いリウマチ内科へ、動悸や息切れがして不整脈かしらと心臓外科を受診する、うつっぽく、くよくよすることが増えてきたと精神科や心療内科を受診する……。しかし、どの診療科へ行って検査をしても、検査結果は異常なし。たくさん薬をもらうけれども一向によくならない。このようなドクターショッピングを繰り返す女性も少なくありません。
さまざまな不調が次々と起こるような更年期世代特有の症状の場合は、まず婦人科を受診して相談してみるのがファーストチョイスだと思います。複数の不調が現れている場合は、更年期の症状であることが少なくないのです。なぜなら、この世代に起こる不調の多くは、女性ホルモンがほぼゼロになったことが原因のことが多いから。今まで心や体を守ってくれていた女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少することでさまざまな不調が現れるのです。