ブツブツ、皮むけ、血色不良…。これで解決、手の悩みのQ&A。
撮影・谷 尚樹 文・嶌 陽子 イラストレーション・三東サイ
Q.ふと気付くと手のひらが黄色い……。病気かしら?
「手が黄色いなと気になったら、手以外の部分もチェックしてみてください。白目も黄色い場合、全身がだるい場合は、黄疸の可能性があります」
黄疸は、急性肝炎といった肝細胞の障害、胆管の詰まり、赤血球の破壊など、病気のサイン。早めの受診が必要だ。
手だけが黄色い場合、食べ物が原因の可能性がある。
「かぼちゃやにんじん、みかんなど、βカロチンを多く含む食物を食べ過ぎると皮膚に色素が沈着することがあります。ただし、体に害はないですし、摂取を控えればやがて元に戻るので、心配しなくて大丈夫です」
ちなみに、手のひらが真っ赤になっているなら、肝機能の低下のサインであることも。気になる場合は医師に診てもらおう。
Q.「ささくれ」ができやすいのは体質でしょうか?
爪のまわりの皮膚が一部薄くむけてしまう「ささくれ」。その主な原因は乾燥だ。肌が乾燥すると少しの刺激でも皮膚がはがれやすくなってしまう。
「洗剤などによる刺激が原因の場合もありますが、やはり一番多いのは乾燥。ですから冬場のほうができやすくなります」
ささくれができると、ついむきたくなるが、それはNG。
「深くむけてしまうとそこからばい菌が入り化膿してしまう可能性もあります。むけて浮いてしまっている部分が気になるなら、爪切りや小さいハサミなどで根元からカットするようにしましょう」
最大の予防法は保湿。手洗いや水仕事のたびに保湿クリームを塗るようにしよう。
Q.冬になるとすぐに 「ひび」「あかぎれ」になってしまう。
乾燥している時季、皮膚がカサカサになり、亀裂が生じるのが「ひび」、ひびが割れるのが「あかぎれ」だ。症状がひどい場合は、ステロイド系の塗り薬で治療する。
「手洗いや食器洗いを頻繁にする人は、それだけ刺激にさらされる回数が多いため、特になりやすいと言えます。また、冬は感染症予防のため、手をアルコール消毒する機会も多いですよね。これもあまり頻度が多いと、揮発性があるアルコールによって手の皮脂も奪われてしまいます」
手を洗い過ぎない、食器洗いを毎食後ではなく数回分まとめて行うなどの工夫を。また、手洗い後は指の間の水気もきちんと拭き取ろう。放置すると、肌の水分も一緒に蒸発してしまう。水を触った後はこまめに保湿クリームを塗る習慣も身につけよう。
Q.手汗がひどく、スマホがいつもヌルヌルします。
もともと、汗を分泌する汗腺は手に多く集まっているもの。
「ただし体質によって手汗の量には差があり、ひどい場合だと手から滴るほどに。紙にメモを取っている途中で紙が濡れてしまったり、スマホや鞄を持つと汗で滑って落としてしまうなど、深刻に悩んでいる人もいます」
一般的な治療としては、「イオントフォレーシス」という、手を浸した水に電気を流す治療を行う、もしくは汗止めの塗り薬を塗るなどの方法がある。
「塗り薬は塩化アルミニウム液が主成分のもので、汗腺に蓋をする働きがあります」
ちなみに、汗腺は加齢に伴い退化していくため、年をとると症状が落ち着く場合もあるそうだ。
『クロワッサン』1004号より
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