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【和田裕美のお悩み相談】依頼内容を変えがちなクライアントとの交渉術を教えてください。

外資系教育会社でのフルコミッション営業で世界142カ国中第2位の成績を収めたキャリアを持つ和田裕美さんが読者の悩みに答える連載。今回は、要求を変えがちなクライアントとのコミュニケーション方法についての相談が寄せられました。

<お悩み>
受託の仕事しており、価格交渉をするシーンが多いので、コミュニケーションのプロの和田さんにアドバイスをお願いできたら嬉しいです。
たとえば、最初頼まれていた内容で準備をして提出し、出してみると「やっぱりこうしたい」と変更されたりすると、それまでの時間が無駄になり、人件費もかさんでしまいます。
そうならないために何度も事前にMTGをし議事録も出して進行しているのですが、多くの受託ビジネスではクライアントの力が強く、ひっくり返されたり依頼内容が途中で変わることもしばしばです。
そんなとき、担当者の機嫌を損ねずに、うまく作業代を上乗せ請求するには、どのような態度とコミュニケーション方法があるでしょうか。
(りんご/女性/システム開発会社勤務の30代)

和田裕美さんの回答

りんごさん、この質問を読んでいてわたし自身が
自分がお願いしているウェブデザイナーさんに同じことやってるかも!と
非常にどきどきいたしました。もしそうだったらごめんなさいね〜〜
……と、りんごさんに謝っても仕方ないのですよね(笑)。

ただ、私もできるだけそのようなことにならないように
自分のイメージは細かく伝えているし
またイメージが固まらないときは
時間をかけてディスカッションするようには
しています。

だから、ほんとうは事前に打ち合わせをしっかりしてるのにひっくり返るなんて
ことはあんまり考えられないのです。
それでもこうなるのはおそらく打ち合わせ段階においても先方に
これで行こう!という覚悟がなく
気に入るまで直せるからとりあえず進めよう
という、ちょい甘さがあるのかなと思います。
そして、その流れを作ったのはりんごさんなんです。
先方に「りんごさんならやってくれる、りんごさんには言いやすい
りんごさんは嫌と言わない」と思わせてしまった経緯があるのです。
だからときには相手がクライアントでも「できません」と
言ってもいいと思います。
言いにくい?
はい、でも大丈夫です!
相手への思いやりを込めて言ってもらえたら
きっと角は立ちません。

たとえば
「途中で変更になると
 時間がさらにかかり
 納期も延びる可能性があります
 それは企業にとって予算よりも
 痛い出費です。
 関わっている方の人件費だけでなく
 時間ロスによって逃すチャンスが大きいからです。
 私自身、それだけは絶対に避けたいので
 事前の打ち合わせでしっかり方向性を決定させていただき
 そこで決まれば御社の時間ロスが1分たりともないように
 途中変更はなしで進めたいと思います。
 どうか宜しくお願いします」

と言うのです、あくまでも
「こっちが困る」ではなく
「あなたのために」です。

で、これって
別に嘘言っているわけではなく
まったくもって事実ですしね。

まだ心配なら
もうひとつ。
こう前もって言っておきます
「ときどき、社内でコンセンサスがとれてなくて
 急に反対する人が出てくることがあり
 企画が頓挫することもあるんです。
 みなさんの今までの時間がすべて無駄になってしまいます。
 こんな無駄な時間が生まれないように
 どうか、上の方にも事前に声がけするなどして
   ご意見をまとめておいてくださいますか?
   わたしもお伝えしやすい資料など作成しますね!」

とかとかです。

丁寧に一生懸命に
真面目にお仕事されているのだと思います。
だからすでにりんごさんには
「信用」が積み上がっています
安心して堂々と言ってみてください!

和田裕美(わだひろみ)●作家・営業コンサルタント。京都生まれ。京都光華女子大学キャリア形成学科客員教授。書籍だけでなくラジオや会員サービス「パワースクール」など各種メディアで情報発信中。代表作に、『人に好かれる話し方』、『世界№2セールスウーマンの「売れる営業」に変わる本』『人生を好転させる「新・陽転思考」』等。最新刊は『稼げる技術』(ダイヤモンド社)。
⇒ 公式サイト

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