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お湯に浸かって流すだけで、潤い美肌になるって本当ですか?

医師の高橋洋子さんは、入浴時に石鹼を使わない「お湯だけ洗い」を続け、肌の潤いと清潔を保っている。そのメカニズムを聞いた。

撮影・岩本慶三 文・後藤真子 イラストレーション・mollydomon

肌の常在菌が元気でいると、美肌に。

医学博士 高橋洋子さん
医学博士 高橋洋子さん

顔と頭以外は石鹼を使わず、お湯に浸かって流すだけ、という入浴法を続ける眼科医の高橋洋子さん。おかげで湯上がりにボディローションをつけなくても乾燥せず、肌トラブルとは無縁だという。
「35歳を過ぎると、特に女性は皮脂が減ってきます。それなのにがんがん体を洗っていると、湯上がりにすぐボディローションをつけないといられないほど乾燥してしまいます」

実は、高橋さん自身も、「お湯だけ洗い」を始めたきっかけはそうした肌のトラブルだった。
「ある時、それまでどおり石鹼とタオルで体をこすって洗っていたら、肌が真っ赤になって、ひりひりしました。いったん洗うのをやめ、しばらくして肌の調子が戻ったのでまたこすり洗いしたところ同じ状態に。それで、もうやめようと思ったんです」

石鹼を使わずこすり洗いをしないと肌がしっとりきれいになる。その理由を高橋さんはこう説明する。
「私たちの皮膚は弱酸性で、たくさんの常在菌と共生しています。常在菌が元気でいることで、外部からの悪い菌の侵入を防いだり、皮膚の中の水分を守るバリア機能が働いているのです。それなのに、近年の極端な清潔志向から洗浄剤で体を洗いすぎて肌が弱酸性を保てなくなり、常在菌がダメージを受けてバリア機能が働かなくなってしまう人が増えています。不要になった皮膚の表面は垢として自然に脱落して新しい皮膚になるのでゴシゴシこすって洗い落とす必要もないのです」
肌が本来持っている機能を健やかに保ち常在菌とうまく付き合うのが美肌への近道というわけだ。
「石鹼やボディシャンプーを使うなと言っているのではありません。必要な時は使ってください。ただし使いすぎは肌を傷める結果になることも知っておいてほしいのです」

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