いま手に入れておきたい器が揃う、ギャラリーめぐり。【東京編】
撮影・岩本慶三 文・嶌 陽子
世田谷 夏椿
風情ある日本家屋で、器と共にある暮らしを体感。
住宅街の中にある古い一軒家。庭の飛び石を渡って、縁側から店内に入ると、まるで誰かが暮らしているかのような空間が広がっている。「日本の手仕事を扱っているので、日本家屋に置いたほうがしっくりくると思って」と、店主の恵藤文さん。畳の上に置かれたダイニングテーブルや、ちゃぶ台などを使った趣のあるディスプレイが印象的だ。月に1〜2回開かれる企画展では、器を使った料理イベントを開催することもあり、日々の暮らしの中で器とどう付き合うか、具体的に想像できるのがうれしい。長年、手仕事の世界に携わってきた恵藤さんがセレクトしているのは、飽きのこない、凛とした美しさのある器の数々。「夏はガラスや磁器を、秋冬は焼き締めの陶器や木の器を。季節感も器で演出できますよ」。割れてしまった場合のお直しにも対応してくれるので、一生付き合える器を探しに出かけたい。
なつつばき●東京都世田谷区桜3・6・20 TEL03・5799・4696 営業時間 12時〜19時 定休日 月・火曜(祝日の場合営業)月に1〜2回、企画展を開催。2018年に店舗移転の予定。詳細はHPで確認。http://natsutsubaki.com
神楽坂 ラ・ロンダジル
静謐な空間で、一生ものの器を見つけたい。
風情ある神楽坂の街に溶け込むように佇む店。一歩中に入ると、器や暮らしの道具、アクセサリーなどが整然と並べられた、静謐な世界が広がっている。地下1階は常設スペース、1階では月1〜2回、企画展を開催。扱っている器は、店主の平盛道代さん自身が実際に使ってみて、長く付き合っていけそうと思ったもの。どれもが、シンプルながら、色合いや質感などに深い味わいがあるものばかりだ。「マットな質感の陶器や漆器などは、使い続けていくと、美しいつやが出てきます。歳月を重ねるうちに、表情が変化していくのを見るのも、器の楽しみのひとつですね」と話す平盛さん。「気に入ったものを長く、大切に使ってほしい」という思いが、静かで温かな店の佇まいや、ひとつひとつの器からにじみ出ている。
ラ・ロンダジル●東京都新宿区若宮町11麻耶ビル1F TEL 03・3260・6801 営業時間 11時30分〜18時30分(祝日は〜18時) 定休日 日・月曜 常設スペースには、伊藤環、城進といった人気陶芸家の作品を置いている。http://la-ronde.com
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