日々の食卓に並ぶお皿や小鉢、気づけばいつも同じものばかりを使っていませんか? それはちょっともったいない話。普段使いのうつわ選びのコツを知れば、食卓の幅はぐんと広がる。工芸ライターの田中敦子さんにその極意を教えてもらおう。
「定番の限られた食器で暮らすのも、それはそれでかっこいいと思います。でも、日本には工芸作家さんがたくさんいて、彼らが作ったうつわを私たちは暮らしの中で普通に使うことができる。これってすごく豊かな楽しみですよね。それに、自分の拙い料理でも作家さんのうつわに盛ると美味しそうに見えるのでとても助けられています(笑)」
20代の頃からうつわを集め続け、現在も新たな出合いを重ねている田中さん、コロナ禍で家時間を過ごしている間、改めてうつわの見直しをしたという。若い頃に集めていたものや出番が減っていたものを棚から出してチェックしたり、食器棚の中の配置を考え直したり。
「日々の生活ではどうしても使いやすい食器に手が伸びがち。だからときどき食器棚内の配置を変えてみることはおすすめです。これもコロナ禍の自粛生活中に気づいたことですね」
普段使いで重宝しているうつわのひとつが七寸皿。料理まわりの単位には昔ながらの日本の基準がそこここに生きている。お酒の一升、お米の1合、そして七寸=直径21cmの平皿。