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『恐竜発見 巨大な骨の化石の謎に挑んだ人々の物語』エドワード・ドルニック 著 杉田七重 訳──巨大な骨の化石を見つけた人々の人生

文字から栄養。ライター・瀧井朝世さんの、よりすぐり読書日記。

文・瀧井朝世

『恐竜発見 巨大な骨の化石の謎に 挑んだ人々の物語』エドワード・ドルニック 著 杉田七重 訳 東京創元社 3,520円
『恐竜発見 巨大な骨の化石の謎に 挑んだ人々の物語』エドワード・ドルニック 著 杉田七重 訳 東京創元社 3,520円

人類が恐竜の存在に気づいたのは1800年代、ヴィクトリア朝のイギリスだった。ダーウィンの『種の起源』が発表されたのは1859年。つまり、まだ人々が進化論を知らず、生きとし生けるものは神が創ったと思っていた時期に、謎の巨大爬虫類の骨の化石に出くわしたわけだ。本書は、恐竜の発見の過程と周囲への影響、そしてそこに関わった人々の物語だ。

恐竜の発見と研究に尽力した人々が多数登場するが、その個性も人生模様もさまざま。早々に登場するのは、メアリー・アニング。彼女が育ったライム・リージスという町の海岸はアンモナイトなど化石の宝庫で、メアリーの家族はそれらを採集して観光客に売っていた。5歳から家業の手伝いをはじめ才覚をみせていた彼女は、12歳のある時、奇妙な骨の化石を掘り出す。巨大イルカの骨のようなそれはロンドンで展示され、科学者たちにイクチオサウルス(魚竜)と名付けられた。だが、発見者である彼女は蚊帳の外だった。途中で、ケイト・ウィンスレット主演映画「アンモナイトの目覚め」はこのメアリーがモデルだったことを思い出した。彼女をはじめ、人々の人生模様には心打たれるものがある。

  • 瀧井朝世 さん (たきい・あさよ)

    ライター

    著書に『ほんのよもやま話~作家対談集~』『偏愛読書トライアングル』など。

『クロワッサン』1176号より

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