ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんから学ぶ、老後に向けての資金計画
イラストレーション・市村 譲 構成&文・黒澤 彩
老後の暮らしが少しずつではあるが見通せるようになる50代。この先、年金生活に入ってからの家計の収支、資産の増減を試算して、おおまかにシミュレーションしてみよう。
「老後資金はいくらあれば安心ですか? とよく聞かれますが、その答えは人それぞれ。2000万、4000万といった大きな金額にとらわれず、これからいくら入ってきて、いくら出ていくのかを可視化してみましょう」とは、社会保険労務士でファイナンシャルプランナーの井戸美枝さん。
井戸さんによれば、老後に大切な要素は4つある。1つ目は年金で、これはとくに70代以降の高齢期の生活を支えるのに大切なもの。
2つ目は労働。フルタイムではなくてもちょっと働くことで資産を大きく減らさずに維持でき、人との繋がりや張り合いが保てるメリットも。
3つ目は資産。インフレが続けば、貯金だけでは目減りする一方という現実を受け入れ、運用益が非課税のNISAを利用して投資信託などで運用しながら資産寿命を延ばす。
4つ目は生活費のスリム化。年齢とともに働けなくなるのを見越して、支出を見直すことも欠かせない。過度な節約をしなくても、不要な保険やサブスクの類を解約し、外食や交際費が自然に減ることで、現在の7割程度の支出にできるそう。
「女性は、平均寿命が男性よりも長いことを考えると、配偶者の有無や働き方にかかわらず基礎年金を繰り下げるメリットが大きいといえるのではないでしょうか。収入を得る選択肢が少なくなる晩年には、どうしても公的年金が頼りだからです。90歳以上まで生きる可能性を考えてみてください」
そのうえで、受給開始までをどうやりくりするかについての作戦を練っていく。長く働けるスキルを身につける、投資をするなど、行動を起こすのが早いに越したことはない。
「50代の強みは、まだ老後までの期間が10年以上あること。資産を増やすこともできるはずです。それにお金を使うのにも体力が必要ですから、50〜60代では収入を得つつ、楽しく使うことも考えていきたいですね」
『クロワッサン』1165号より
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