東京都獣医師会顧問・平井潤子さんに聞く、災害時にペットを助ける、プラスアルファの備えと心がまえ
イラストレーション・樋口モエ 文・秋山香織
ペットを守る
「災害時に必要なのは、『飼い主力』。誰かの助けを当てにせず、飼い主本人が生き残り、責任を持ってペットを守り抜く意識や備えが必要です」
そう語るのは、環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン」検討委員なども務める、平井潤子さん。避難の場合は同行避難が基本だが、臨機応変な飼い主の判断が都度求められる。
「避難所に受け入れを断られても、ペットの居場所用としてテントを持参し、『建物内のどこかに設置できないか』と交渉したところ、実現できた例も。車や安全なほかの場所での避難もできますし、民間ボランティア、ペットホテルなどでの預かりや、地域のペット仲間との助け合いも有効です。緊急時のための選択肢を一つでも多く持てるよう日頃から意識しておいてください」
一緒に避難するための備え
移動用ケージにテントも備え、慣れているフードなどでストレス緩和
避難時はテント生地の折りたたみ式ケージを使用。避難所ではポップアップテントにケージごと、トイレと一緒に入れれば、別室避難でも衛生的に管理しやすく、ストレスも軽減される。ペットフードの配給は人の物資よりも遅れがちなので、大規模災害に備えて充分な量のローリングストックを。軟水や水道水のペットボトルも忘れずに。災害時のストレスで食が細くなる子も多いので、嗜好性の高いフードや、高齢なら流動食なども準備を。
〈ペット向け・プラスアルファの備えリスト〉
●ポップアップテント
●折りたたみ式ケージ
●1カ月分のペットフード・水
●おやつなど嗜好品
ご近所のコミュニティを活かし、ショートステイの練習をしておく
散歩などで顔なじみになったご近所さんたちとは、災害時に助け合える関係性を築いて。普段から互いに預かったり預けたりしながら、ショートステイの練習をしておくと、万一の時、ペットと離れている期間があっても安心。
別々の場所にいるときに備えて
家の中に日頃の居場所にもなる屋内シェルターを複数箇所作っておく
落下物や家具の転倒がない場所にペットが逃げ込めるスペースを。補強したベッドの下、固定された家具の間などにキャリーケースを設置し、日頃から居場所として慣れさせる。特に猫はそこを普段の寝床にさせて。
自動給餌器、見守りカメラなど留守中の安心安全を守れるツールを導入
電源不要の自動給餌器があると安心。カメラ機能付きで様子や温湿度も監視できるようなものも。電力消費が少ない水槽での飼育は、日頃から蓄電池で給電して。停電時の電源復旧後、再起動する自動復旧型エアコンも有効。
迷子になってしまった場合を想定してマイクロチップの装着やアプリの活用を
確実な身元確認のために、マイクロチップの装着を。迷子札だけでは痩せて首輪ごと首から落ちる可能性もあるため、併用がおすすめ。また、迷子捜索に有効なアプリを活用すれば、近隣の協力を得ながら効率的な捜索が可能に。
ドコノコ
位置情報を利用し、近隣ユーザーに迷子探しの協力依頼が可能。チラシも作れる。「ほぼ日」運営。https://www.dokonoko.jp/lost-child
『クロワッサン』1172号より
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