管理栄養士・今泉マユ子さんに聞く「備蓄と時給エネルギーの備え」──今日から始める“在宅避難”の準備
イラストレーション・ミズカミエリカ 文・黒澤 彩
ローリングストックで、日常の中に備蓄サイクルを
日常に近い生活を続けるために、水と食事の備蓄は欠かせない。「水は、飲料水だけではなく調理、手洗い、口腔ケアなどに使う生活用水も必要です。ペットボトルの水だけではなく、給水容器も用意します」。給水容器は、折りたためて収納しやすいソフトタイプ、安定して注ぎやすいハードタイプなどがある。水を入れる、運ぶ、注ぐ、衛生的に使えるかなどを考えて選ぼう。
「備蓄食については、一度にたくさん買うより、ふだん食べるものを少し多めに持つのが基本。日常で消費しやすいように、賞味期限が近いものから食べる、取り出しやすくする、食べる日を決めるなどとルール決めを」。食料品とともに、熱源のカセットコンロとガスボンベ、耐熱性ポリ袋なども用意。ポリ袋も年月が経てば劣化するので、ローリングストックの考え方で使いながら補充する。
停電しても、明かりと情報を得るために
「地域一体が停電すると、街灯や信号機の明かりもなくなってしまうので、夜は本当に暗闇になります。懐中電灯やソーラーライト、ヘッドライトなどを数種用意し、キッチン、リビング、寝室、トイレ、洗面所、玄関など各所に置いておきます」
ライフラインが止まり情報が得られなくなる事態も想定。
「モバイルバッテリーがあっても、早晩充電が切れます。通信障害が起きることもあるため、スマホだけに頼らない備えが必要です。真っ暗な中で、どのくらいの範囲で何が起きているのかさえわからない状況は、とても不安でしょう。電池式ラジオなど停電時にも使えるものが必須です」。また、非常時に使う懐中電灯やヘッドライト、ラジオなどは、同じ種類の電池で使えるものに統一しておくと便利。ボタン電池など入手しづらいタイプより、単三か単四が無難。
水を使わずに衛生環境を保つ方法を一度試してみる
衛生用品は、水が使えないことを想定して備蓄を。「とくに口腔ケアは、避難生活が長引くほど健康面でも重要になるといわれています」。口腔ケア専用のウエットシート、手指消毒用品、紙おむつ、生理用品、ドライシャンプー、防臭袋など、備えたいものは多岐にわたる。
水があっても流せない可能性も。トイレは、凝固剤で固めて廃棄できるタイプやシートタイプの携帯トイレを備蓄。家族の人数と想定する避難日数から数を検討しよう。「携帯トイレや簡易トイレは、ただ買って持っているだけではだめです。一度は使ってみましょう。それも、停電を想定して暗いところで試してみるといいと思います。一度も使ったことがないものを、真っ暗な中でセットして使うのは至難の業。防災全般について言えることですが、実際に試してみることがとても大事です」
『クロワッサン』1172号より
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