管理栄養士・今泉マユ子さんに聞く「住まいの見直し」──今日から始める“在宅避難”の準備
イラストレーション・ミズカミエリカ 文・黒澤 彩
安全な部屋のチェックポイント
1. 大きいものはドアから離して床置き
高所を避けるのはもちろん、倒れたり動いたりして出入りの動線を塞がない場所に置く。
2. 背が低く、重心の低い家具
安定感のある形状もポイント。細い脚付きのチェストなどは避けて。ガラス素材の少ないタイプを。
3. ベッドは窓から遠くに
就寝時はとっさに身動きできないので、ガラスが割れても破片が飛んでこない距離に。
4. ガラスに飛散防止フィルム
破片は見えづらく危険。窓だけではなく、食器棚や収納のガラス扉にもフィルムを貼っておく。
5. 家具は寝具の上に倒れてこないよう配置
軽い家具でも倒れたり動いたりする。中身が飛び出すこともあり、固定していても配置が大切。
家族が集まれる「安全な部屋」を決めておく
在宅避難を可能にするために、「安全な部屋=セーフルーム」を設けておこう。これは耐震シェルターなどではなく、家の中でも比較的安全で、家族が集まりやすい部屋という意味。背の高い家具や落下物、大きな窓のない部屋が適しているので、就寝中の安全を考え、寝室をセーフルームとして整えるとよいでしょう。
「この部屋をセーフルームにしようと決めたら、就寝中など、無防備なときの災害を想定して、できるかぎり危険を取り除く工夫を。倒れてくる大きな家具がないこと、高所から物が落ちてくる心配がないこと、部屋の出入り口が家具で塞がれる可能性がないかなどを確認し、窓ガラスには飛散防止フィルムを貼っておきます。また、枕元にはライト、履物、眼鏡、笛などを手の届くところに置き、飲料水もこの部屋に用意しておくことをおすすめします」
インテリアと家具は選び方、置き方で工夫を
「防災のために、インテリアの楽しみを諦める必要はありません。置き場所や物選びを工夫するだけで安全性を高められます」
例えば、絵画や時計など壁に掛けるものは、軽く、割れにくい素材を選びます。高所にはできるだけ物を置かず、置く場合は落下防止策を。収納ケースは布製など、柔らかい素材にする。また、玄関に花瓶や水槽が置いてあると、水や破片で靴が履けなくなる恐れも。想像力を働かせてみれば、危険な置き方と比較的安全な置き方の違いが見えてくるはず。
すでにある背の高い家具は、やはり固定が必須。大きな地震の際には、家具は倒れたり、動いたりするものという前提で、配置を考え、壁の下地や強度に合った方法で固定を。器具をつけさえすれば安心というわけではなく、正しく固定できているか、緩んでいないかを定期的にチェックする。
日頃からの掃除・片づけそのものが防災になる
散らかっている部屋は、災害時に危険な部屋でもある。
「床、廊下、階段などに物が置いてあると、ケガや避難の遅れにつながります。セーフルームと同様に、まずは避難の動線となるところに物を置かないように、ふだんから片づけておきましょう」
どの部屋にも共通して、物を減らすことも意識したい。床に散乱したものは避難の妨げになるだけではなく、在宅避難中、ただでさえ疲弊しているときに片づけの手間が増すことになる。気持ちの上でも滅入るだろう。使わないものは処分し、必要なものを常に取り出しやすい状態にしておく。ごく普通のことが防災にもなるのだ。
「停電時、電気を使わなくても片づけ・掃除ができるように、ほうきとちりとり、バケツ、雑巾といったアナログな掃除道具があるといいですね。トング、軍手、養生テープなども役立ちます」
『クロワッサン』1172号より
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