ファッショニスタ・島崎真代さんに学ぶ着こなし術──ひとクセアイテムから重ね着テクまで
撮影・天日恵美子 文・恒木綾子
年を重ねたからこそ、古着の“こなれ感”が似合う
「SNSを始めたのは62歳の頃だったかしら。暇だったし、周りにおしゃれな友だちがいっぱいいたから、その人たちを紹介するつもりでやってみたんです」
御年72歳にして、YouTubeやインスタグラムを軽々使いこなし、個性派ヴィンテージファッションを発信している島崎真代さん。大事にしているのは、服やコーディネートがその人に自然と馴染んで見える“こなれ感”。
「クローゼットにある服の90%が古着。古着はもともと誰かが着ていたものだから、裾も擦れていたり、くたっとした味のある風合いになっていたり、すでにいい感じにこなれているの。きれいで美しいものも素敵だけど、私はこなれてないものはつまらないと思っちゃうから、新品はほとんど買いません」
今では、そんな安くてかわいい古着を探すショッピング自体が趣味に。
「よく行くのは、『RecycleGallery NEWS 西荻店』。とにかく安いし、個性的なものがいっぱいあるから、みなさんにも1回行ってみてほしいわ(笑)。あとは、『セカンドストリート』とかのリユースショップにもよく行きますし、最近はフリマアプリ『メルカリ』で買うことも多いです。ほとんどの商品が送料込みだし、本当に安くていいわよ〜(笑)」
“高いものは本当に気に入ったもの以外、買わない”がマイルール。クローゼットにある残りの10%の新品も、コスパのいいアイテムばかり。
「今の時代は安く買えるお店がいっぱいあるから、別にお金なんてかけなくてもファッションを充分楽しめると思います。フリーマーケットにはよく行くし、アクセサリーは海外の通販サイト『SHEIN』で買うことが多いけど、どれも数百円よ(笑)」
そんなプチプラのアクセサリーは、島崎さんにとってこなれ感を演出するマストアイテム。とくにサングラスは、シニア世代におすすめだそう。
「私は365日、サングラスを掛けない日はありません。50本は持ってるけど、玄関に置いてある中から、その日の気分や装いに合わせて選びます。ただ掛けるだけでおしゃれに見えるし、使わない時は、胸元に差しておけばアクセサリー代わりに、頭にのせておけばヘアバンド代わりにもなる。紫外線カットもできるし、目元のシワも隠せるから、60歳を過ぎたら必須ですよ」
ファッションは理論でも理屈でもなく、体験
現在はショッピング同行「マヨ塾」も開講。ファッションに悩みを抱えるシニア世代の女性へ、アドバイスを行っている。
「みなさん、歳を取ったから今まで着ていた服が似合わなくなったとか、好きなものと似合うものは違うとかおっしゃいますけど、自分で自分をがんじがらめにしているだけ。自分の“好き”を曲げずに押し通せば絶対に似合うと思うの。それから、もう歳だからとか、ママだからとか、周りの目を気にしすぎね。自分が思っているほど、周りは自分のことなんて見てないものよ(笑)。もちろん、TPOや、仕事や子育てをしている間はいろんなしがらみもあるだろうし、ある程度は飛び抜けすぎないほうがいいとは思うんだけど、それが終わったら、もう好きな格好しましょうよ! ファッションは理論でも理屈でもなく体験だから、買い物に失敗したり、友だちとあれこれ討論したりしながら楽しんでほしいなと思います」
かくいう島崎さんも、ファッションをより楽しめるようになったのは、60歳を過ぎてからだという。
「昔からファッションは好きで、今と同じくらい服は持っていたものの、41歳で夫と別れるまでは主婦だったから、それを着ていく場所がなかったの。離婚後は子育てしながら必死で働いたけど、今まで買いためていた服を着ていく場所ができたことが楽しくてね。62歳でSNSを始めてからは、洋服が好きな人たちとも繋がれて、交友関係もグッと広がりました。65歳を過ぎると、リアルにゴールが見えてくるから、より今を楽しもうっていう気にもなるしね。大好きな服や同じ趣味を持つ友だちに囲まれて過ごす今、毎日が楽しくて仕方がないし、72年間生きてきた中で一番充実しています」
『クロワッサン』1166号より
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