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さつまいも──松田美智子の「くらしの歳時記」

古くから伝わる習慣やしつらい、暮らしの知恵。松田美智子さんが取り入れている“歳時記”を紹介します。今回は「さつまいも」。

撮影・鍋島徳恭

さつまいも──松田美智子の「くらしの歳時記」

さつまいも×干しエビ×魚醤+バターは美味しい方程式

秋の味覚といえば、さつまいも。昔は「芋、栗、南瓜」なんて言いましたが男女問わず人気です。しっとり・ねっとり系の「紅はるか」や「安納芋」、ほくほく系の「紅あずま」や「鳴門金時」、紫の「アヤムラサキ」、白の「コガネセンガン」など、様々な種類があります。味、食感、用途、糖度などが異なり、それぞれに特徴があります。私はほくほく系のさつまいもでご飯を炊きます。おいもの食感とお米の食感、おいもの甘みに干しエビの出汁と魚醤の塩分と風味がベストマッチなのです。そこに美味しい発酵バターなど混ぜようものなら「きゃー! どうしよう」という秋のご褒美。お米2カップにさつまいもの角切り1カップ分を、水2と2分の1カップに酒大さじ2と魚醤約大さじ2、干しエビ大さじ2を加えて炊くだけです。炊きあがる寸前に10秒ぐらい強火にすると、美味しいおこげも。鍋の底についたおこげは誰にもあげません。蒸らして大さじ2のバターを混ぜます。

さつまいも──松田美智子の「くらしの歳時記」

ねっとりさつまいもは大学芋に!

材料は、さつまいも400g、米油適量、三温糖大さじ1、はちみつ90g、水大さじ3、醤油小さじ2、黒ごま大さじ1。さつまいもを15分ぐらい薄い塩水に浸けて水けを拭き、2cm角の5cm長さに切る。170℉に熱した米油で周りがカリッとなり、きつね色になるまで揚げる。油を切っておく。鍋に三温糖を入れて中火にかけ、はちみつを加え混ぜ、水を入れて溶かす。揚げたさつまいもを加え、蜜を絡めるように炒り、最後に醤油を加え、火を切って黒ごまを加え混ぜる。砂糖とはちみつの量はお好みで。味を調えるための塩分は断然醤油がおすすめです。

  • 松田美智子

    松田美智子 さん (まつだ・みちこ)

    料理研究家

    近著『家庭料理は郷土料理から始まります。』(平凡社)ほか著書多数。調理道具「JIZAI」をプロデュース。m-cooking.com

『クロワッサン』1152号より

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