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スマホ首とは?チェックリストで確認し、原因とリスクを理解しよう。

姿勢の三大悩みのひとつ、スマホ首について、スポーツドクターで整形外科医の中村格子さんとパーソナルトレーナーのKAORUさんに話を聞きました。

イラストレーション・小林マキ 文・小沢緑子

スマホ首|うつむき姿勢により首や肩に多大な負担が。

まさにスマホやタブレット、パソコンの使いすぎから起こりやすいスマホ首。

「うつむき加減で操作したり、小さな画面で動画やドラマを覗き込むように見たり、仕事ではオンライン会議も増え、年齢に関係なく増えている感があります。ただ、スマホ首も肩や首のコリをほぐすだけでは解消しません。今やスマホは生活必需品で手放せないツールなので、普段の姿勢グセを一層正してうまく付き合っていくことが大切」(KAORUさん)

「スマホ首は頭の位置が前に倒れることで後頭部にある筋肉が緊張した状態で、肩や首のコリ、頭痛なども生じます。そもそも人間の頭は5〜6kgあり、頭が1度傾くと首や肩に1ポンド(約0.45kg)の負担がかかるといわれていますが、たとえばスマホをうつむいて見ている角度が60度だとすると約27kgにも。まるで小学生を1人乗せているようなものなのです」(中村さん)

スマホ首かどうかをチェックする方法(下イラスト)は、「後頭部と肩を壁にしっかりつけて、耳の位置を固定してうなずくように顎を上下に動かして。これは首や肩に負担がかからない首の動かし方でもあるので、もしできなければ改善法(下イラスト)と合わせて練習を」(中村さん)。

CHECK!

□ スマホを見ている時間が長い。
□ 常にうつむきがちで見ている。
□ 首や肩コリがひどい。
□ 目の疲れ、頭痛がある。
□ 高い枕でないと眠れない。

壁にくっつくようにまっすぐ立つ。後頭部と肩を壁につけたまま、頭を上下に動かす。壁から後頭部が離れたり、ほとんど動かないとスマホ首の可能性がある。
壁にくっつくようにまっすぐ立つ。後頭部と肩を壁につけたまま、頭を上下に動かす。壁から後頭部が離れたり、ほとんど動かないとスマホ首の可能性がある。

放っておくと…頚椎症、頚椎椎間板ヘルニアのリスクも。

本来はゆるやかなカーブを描く首の骨の頚椎が、頭が前に傾くことでカーブが消失してまっすぐになるのがスマホ首。

「首や肩のコリ以外にも、目の疲れや頭痛、また巻き肩と同じように食いしばりが強くなったり、歯の噛み合わせに影響することも。スマホ首の人は枕が高くないと眠れないという人もいますが、高すぎると首や肩の筋肉が引っ張られたままになり頚椎を歪めることがあります」(中村さん)

さらに悪化すると、頚椎の変形によってつらい痛みやコリの原因となる「頚椎症」に。頚椎の骨と骨の間にある椎間板が飛び出して脊髄や神経根を圧迫し、首や肩、腕の痛み、進行すると手足のしびれも生じる「頚椎椎間板ヘルニア」に発展するリスクもある。重篤なトラブルになりかねないので侮れない。

「整形外科の疾患の多くは、習慣性の動作の繰り返しで起こります。頭も体の上にまっすぐ乗る正しい位置に改善していきましょう」

簡単リセット!

壁に頭をつけたまま腕振り体操

壁にくっついて立ち、後頭部だけ壁につけたまま1歩前へ。両足は揃え、頭からかかとまでまっすぐになるようにする。頭や体は動かさず、腕だけ左右交互に前後に振る。30秒ほど繰り返し。

スマホ首とは?チェックリストで確認し、原因とリスクを理解しよう。
  • 中村格子

    中村格子 さん (なかむら・かくこ)

    整形外科医

    「Dr.KAKUKO スポーツクリニック」院長。多くのアスリートを支える。監修本『硬い体をほぐす かんたんストレッチ』ほか著書多数。

  • KAORU

    KAORU さん (かおる)

    パーソナルトレーナー、 姿勢アナリスト

    「STUDIO Apro」主宰。女優やモデルも信頼を寄せる姿勢分析を基本にした独自メソッドで人気。「姿勢アナリスト(R)」資格講座を開講し、後進も育成中。

『クロワッサン』1110号より

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