猫が幸せになる工夫がいっぱいの家。
時間と気持ちに余裕ができた今だからーー。猫のためのスペースを用意した永嶋ななさんを訪ねました。
撮影・黒川ひろみ 文・中島茉莉花
“保護猫4匹と暮らす家。 猫が幸せなら人間も幸せ。”
永嶋ななさん
パーソナルスタイリストの永嶋ななさんは、犬や爬虫類の飼育経験もある“動物好き”。8年前からは4匹の保護猫たちと暮らす。自宅を建て替えることになったときは、猫のためのスペースづくりにこだわった。
「体形も性格も違う4匹なので、建築家の松尾宙さん、由希さんに相談しながら熟慮しました。慎重派のマルには落ち着ける居場所を。ぽんちゃんはのんびり屋だから人の近くで寛ぎやすく。しし丸はジャンプは苦手、横移動を多めにできるように。しし丸に追いかけられがちなあられには隠れ場所をといったふうです」
年齢や体調によって、猫も行動や嗜好が変わる。それに合わせ家も“更新”できればと、素人でもいじりやすい合板の壁も設けたという。
「夫と、距離や高さを測りながら、市販のハウスやトンネルを取り付けました。彼らは今、8歳。今後は高すぎず、横移動しやすいものを取り付ける機会が増えるでしょうね」
猫が動き回る姿は人を飽きさせず、「家族の口角は上がりっぱなしです」。
視界のどこかに猫がいるだけで、ほっこり。
窓越しに外を眺めるしし丸(右)とマル(左)。
猫らしい動きが叶い、ストレスレス。
合板の壁は、猫のため。自分たちでDIYも。
時にはひとりになれる場所も作ってあげる。
ヒトには3層構造だが、猫にとってはそれ以上。
『クロワッサン』1112号より