空きスペースに置いちゃう、ぎゅうぎゅう詰め込む…癖を攻略して虻川美穂子さんが収納棚をスッキリ片づけ。
虻川美穂子さん宅の収納棚を参考に、自分の癖を知ってもっと快適に片づける方法を紹介。
撮影・黒川ひろみ 文・長谷川未緒 イラストレーション・ぎゅうにゅう
癖を攻略すれば無理なく片づく。 虻川さんが収納棚をアップデート。
本誌で昨年春、片づけアドバイザーの石阪京子さんと共に片づけた、虻川美穂子さん宅の収納棚でしたが……。
虻川美穂子さん(以下、虻川) 片づけた直後はめちゃくちゃいい感じで、快適に使っていたんです。でもいつの間にか、空いているスペースにモノを置いてしまい、奥のファイルボックスに手が届かなくなってしまって。健康診断の書類はどこに入れたかわからないし、領収書入れはあるのに、ついキッチンカウンターのカゴにぽいぽい入れて散らかった感じになってきました。
石阪京子さん(以下、石阪) 1回の片づけですぐに最適な収納にならないのは当たり前で、虻ちゃんだけじゃないから、安心して! 前回、一気に片づけたときはあくまでも仮置き。生活しているうちに、誰しも「ついこうしちゃう」という癖があるじゃないですか。その癖に合わせて、微調整していけばいいんです。私の家もそうやって改善しながら、落ち着いたんですよ。
虻川 そうなんですか! きれいにしたいと思いながら、どうしていいかわからず、ストレスを感じています。とくに棚の空きスペースやキッチンカウンターにとりあえず置いてしまっているものをどうにかしたいです。
石阪 そんなふうにモヤモヤしたり、使い勝手の悪さを感じたときが、お直しのベストタイミング。虻ちゃんの収納の癖を把握、分析して解決していきましょう。使いやすい収納まであと少し。トライアンドエラーを楽しんで、収納棚をアップデートしましょう!
(把握)1年半ぶりに収納棚をチェック!
2022 before
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2022 after
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現状
(A)何が入っているかわからない。
虻川さんが新たに設置した最上段の棚。手は届くものの中身が見えないケースのため、何をしまったのか、すっかり忘却の彼方に。
(B)空きスペースにモノが……。
朝晩使うスキンケア用品はつい空きスペースに置いてしまい、奥のボックスが使えない事態に。カバンの中身も隙間に押し込んでいる。
(C)紙類がキッチンカウンターを占領。
分類しづらい領収書、子どもが学校から持ち帰ったお便りや役所から届いた書類など、あとで確認しようと思いつつ置いた紙類が山に。
(D)一度も読まずに死蔵。
ファイルボックスにしまったレシピ本は、背表紙が見えないこともあって何を入れたのか忘れてしまい、一度も開かないまま。
(分析)収納の癖によるつまずきポイントを診断。
(1)見えないと忘れる癖
目が届かない最上段の棚や、ファイルボックスにしまったレシピ本など、ボックスにラベリングしてあったとしても中身が見えないと存在を忘れることに。透明ボックスに替えたり、ボックスの置き方を工夫したりして、ひと目ではっきりとわかるようにすれば解決。
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ボックスや置き方を替えて見える化。
(2)空きスペースに置いちゃう癖
どこに入れたらいいのかわからないものや、しまうのが面倒なものを空いている場所に適当に置いてしまい、奥のものが使いづらくなる……。そんな癖には、ちょい置きしやすいものの定位置を使いやすい場所に新たにつくり、空きスペースをなくせばいい。
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定位置をつくり、空きスペースをなくす。
(3)ざっくり入れちゃう癖
細かく分けるのが苦手だから大まかに分類していた虻川さん。大雑把すぎて、メイクボックスからも健康ボックスからも美顔器が出てきたり、書類はどこに入れたか忘れて提出期限を過ぎていたり。書類やメイク用品など、種類の多いものは分類を見直し、使いやすく。
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使いやすいように分類をもう少し細分化する。
(4)ぎゅうぎゅう詰め込む癖
使いやすい収納はスペースに対して7割だが、入れば入るだけぎゅうぎゅう詰めてしまい、マスクも保冷バッグもはみ出すほど。モノがあふれる場合は、収納スペースを大きくするか、使用頻度の少ないものなら、モノ自体を減らしてケースを小さくするなどの工夫を。
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モノの量と収めるスペースを検討する。
(解決)収め方をアップデートしてさらに使いやすく!
(1)日用品や本が一目瞭然に。
最上段は透明ボックスに変更。レシピ本のファイルボックスは背表紙が見えるように置き方を変更。ざっくり入れすぎていた書類はPTA・みほこ書類・通知表など細かく分け、領収書も交通費・交際費等に分類してフォルダーに。
(2)ケア用品はすぐ取れる扉に。
空きスペースに置いていたスキンケア用品やサプリメント類。扉裏に貼って剥がせるタイプのフィルムフックをつけて100円ショップのワイヤーネットを下げ、カゴを合わせて定位置を作った。
(3)メイク用品は分類して迷子を防止。
ざっくり分類していたメイク用品は、美顔器、今使っているもの、ストックの3つに分けた。美顔器が見つからなくなったり、使用期限切れのストックが奧から出てきたりを防げる。
(4)保冷バッグとマスクはケースを変更。
あふれていた保冷バッグはケースを大きなものに替え、すっきり収納。使用頻度の減ったマスクは実家に送って量を減らし、「無印良品」のハーフサイズのファイルボックスに替え、入る分だけ持つことに。
数時間後、進化した収納棚が。
虻川 前はファイルボックスが並び、中身が見えないきれいさがありましたが、見えないと存在を忘れてしまう私としては、今のほうがいい感じです!
石阪 虻ちゃんは空きスペースについモノを置いちゃう癖があるので、置けないようにスペースをなくし、よく使うものは簡単に出し入れできるよう、扉裏にカゴをつけました。
虻川 扉裏に収納場所をつくるという発想はなかったので驚きましたが、すごく使いやすいです。領収書も費目ごとにファイリングしたので、さっとしまえるし。キッチンカウンターが片づいたので、苦手意識がある料理もこれからは楽しくできそうです。
石阪 見える化する、必要に合わせて分類するなど、虻ちゃんの癖に応じてより使いやすい収納に更新。これで理想の暮らしはもうすぐそこですよ。
\まだまだある!/癖別の片づけ改善アイデア。
まずケースを買っちゃう癖
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空間や収めるものを吟味する。
片づけというとまず形から入って収納用品を揃えがちだが、その結果、入れたいものが収まらないことも。その空間に収納するものや定量を決め、収納場所や入れたいもののサイズに合うケースを測ってから購入を。
きっちりしまい込み癖
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アクション数を減らす収め方に。
真面目な人ほど、きっちりしまい込もうとして、ハードルの高い収納にしがち。結果、面倒でつい後回しに。そんな癖のある人は、服なら畳まずにハンガーで吊るすだけにするなど、ワンアクションでできる収納にしよう。
分類しすぎ癖
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動作や目的別に分類を見直す。
収納が得意な人ほど細かく分けがちだが、家族は高度な収納についていけず散らかる原因に。たとえば文房具は切るもの、書くもの、薬は風邪薬や痛み止めなど、動作や目的別にざっくり分ければ、家族もわかりやすい。
置きっぱなし癖
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その人専用のスペースをつくる。
ゲームや本がリビングに、帽子や時計が玄関に……とつい使ったものを共有スペースに置きっぱなしにしがちな場合、一角にその人専用のスペースを設置しよう。そこにモノがたまりすぎないよう、定期的に見直しを。
『クロワッサン』1103号より