高知のハーブ農園で教わる、フレッシュなハーブの愛で方、味わい方。
一度は訪れてみたいこだわりのハーブ専門農家を、フラワースタイリストの平井かずみさんと訪れました。
撮影・徳永 彩(KiKi inc.) 文・黒澤 彩
まるふく農園
ハーブ農園で教わる、新鮮な香りを楽しむアイデア。
平井さんの友人でもあるハーブ生産者の楠瀬健太さんを訪ねて、「まるふく農園」へ。農園といっても、ここは高知市内の閑静な住宅地。主にハウス栽培でハーブを育てている。
「ここのハーブは食用のものだから、口にしても安心。健太さんが作っているハーブコーディアルやハーブティーもとっても美味しいんですよ」
と平井さん。東京で行うハーブを使ったワークショップなどでは、いつもこの畑から摘みたてを送ってもらう。
「10年以上前に花市場で見つけた素敵なハーブブーケが、健太さんのものだったと後から知りました。当時は、ハーブを切り花で出荷してくれる生産者さんがあまりいなかったので、健太さんを紹介してもらえたときにはすごくうれしかったですね」
時には思いがけないオーダーも? ハーブの使い道は広がっている。
料理に使う葉というイメージが強いハーブ。花が咲くことを知らず、平井さんのワークショップで初めて見て驚く人もいるという。
「ハーブの花って、華奢でとても可愛いでしょう? 料理で使用する以外の楽しみ方も伝えていきたいです」
高知の温暖な気候はハーブ栽培に適していて、例えばティーツリーの木なども、冬枯れせずに一年を通して緑の葉を収穫できるのだそう。ハウス内にのびのびと育っているその種類は、ざっと100種以上。
「うちでは食用、ブーケ用などと用途を決めずに、いろいろなものを育てています。僕としては雑草だと思っていたカタバミが、とあるレストランから『ぜひ欲しい』と言われたことも。平井さんもそうですが(笑)、いつどんなオーダーがあるかわからないので、なるべく応えられるように準備をしておきたいですね」(楠瀬さん)
この日、摘みたてのハーブで作ってくれたのは、ノンアルコールのモヒートとフレッシュハーブティー。平井さんのブーケと合わせて、3つのアイデアを参考に、生活の中にハーブを取り入れてみたい。まるふく農園では苗も販売しているので、自分で育てたハーブを使えば美味しさや喜びも格別に。
“愛でて、味わって。フレッシュなハーブを楽しみます。”
●モヒート
楠瀬さんオリジナルのハーブコーディアルと、新鮮なミントをたっぷり使ったドリンク。合わせる柑橘類はお好みで。レモン、ライムのほか、高知の小夏を使うことも。
(1)スペアミントを中心に、アップルミントを混ぜても。
(2)ミントと薄く切ったレモンを軽く潰し、香りを立たせる。
(3)コーディアルを30mlほど(ガムシロップでも可)。
(4)氷と炭酸水を加え、仕上げにレモンを添えれば完成。
●ハーブティー
その時々に収穫できるハーブをミックスして熱湯を注ぎ、3分ほど蒸らすだけ。この日はレモングラス、レモンバーム、スペアミントに、彩りとしてラベンダーを1枝。
●ハーブブーケ
花がついているものを中心に少しずつ摘んで束ねた小さな香りのブーケ。摘んだらすぐに10〜20分、できれば2時間ほど水に浸けて休ませてから束ねるのがポイント。
(1)ゼラニウム、レモンマリーゴールド、バジル等。
(2)親指と人差し指の間に茎を挟むように軽く持つ。
(3)茎が曲がっているものを入れると動きが出る。
(4)ボリュームのあるものを中心に細い茎を足していく。
●まるふく農園
高知市福井町512・1
営業時間:11時~17時
休園:日曜 来園の際は必ず事前に電話で確認を。
TEL.088・875・3826
オンラインショップ https://www.matokaherbs.com/
『クロワッサン』1092号より